真夏は外気よりも10度以上も涼しく、そして冬場は温かいという地下神殿&地下迷宮。鍾乳洞など天然の洞窟を除き、採石場や、仏像を祀る霊窟、そして第二次世界対戦の防空壕に秘密地底工場など手掘りなどで生まれた近現代の、そして近年の防災や下水施設の地下神殿&地下迷宮10ヶ所をセレクト。
大谷資料館|栃木県宇都宮市
所在地:栃木県宇都宮市大谷町909
規模・内容:深さ30m、2万平方メートル(140m×150m)の広さを持つ大谷石の地下採掘場跡(カネイリヤマ採石場は大正8年〜昭和61年まで採石)
備考:日本遺産「地下迷宮の秘密を探る旅 大谷石文化が息づくまち宇都宮」の「地下迷宮」とは、もちろん、この大谷資料館(カネイリヤマ採石場跡地)のこと
平均気温が8度という異空間
島崎酒造(洞窟酒蔵)|栃木県那須烏山市
所在地:栃木県那須烏山市神長
規模・内容:、第二次世界大戦末期に戦車製造のために掘削された地下工場跡が洞窟酒蔵に
土木遺産「東京動力機械製造株式会社地下工場跡」にもなっています
備考:昭和45年から大吟醸酒を中心とした長期熟成酒製造への取り組みを開始し、平成19年から洞窟(島崎酒造地下低温貯蔵庫)での熟成をスタート
例年3月中旬~12月末の土・日曜、祝日、ゴールデンウィーク、お盆には、洞窟酒蔵を開放し、洞窟見学が可能です(開放日以外でも、前日までの予約で見学可能)
足尾銅山観光|栃木県日光市
所在地:
規模・内容:慶長15年(1610年)に鉱床が発見され、明治16年に生産量日本一になり、富国強兵政策を背景に20世紀初頭には国内の銅の4割を生産していたという足尾銅山のうち、坑内の一部、全長700mを開放し、トロッコ電車で入坑可能
備考:日本の近代化を支えた銅山は近代化産業遺産
トロッコ電車で全長700mの薄暗い坑道に入っていくと、江戸から昭和時代にかけての採掘の歴史や採掘の仕組みなどを、動く人形やアナウンスを使って解説
洞窟観音・徳明園|群馬県高崎市
所在地:群馬県高崎市石原町
規模・内容:観音山丘陵に呉服商・山田徳蔵が大正7年に着工し、昭和39年2月に88歳で生涯を閉じるまでの間、約50年間にわたって独力で築いたのが洞窟観音と、回遊式日本庭園の徳明園
清水山の聖地に築かれた洞窟は全長400mにも及び、浅間山の溶岩や、巨石銘石を配した内部は極楽浄土を体現し、御影石の観音像33体などが安置されています
備考:高崎のシンボルとなっている白衣大観音より以前、満足な重機のない時代に人力で山をくり抜き谷を埋めて築いた洞窟と庭園は、知られざるスポット
防災地下神殿(首都圏外郭放水路)|埼玉県春日部市
所在地:埼玉県春日部市上金崎720
規模・内容:首都圏を環状に走る国道16号の地下50mほどの場所に造られたトンネルは、長さ6.3km、貯水できる水の量は67万立方
見学できる巨大な水槽(調圧水槽)は、地下22mの位置にあり、幅78m、高さ18m、全長177mという巨大空間で、柱と空間の巨大さから「防災地下神殿」と呼んでいます
備考:洪水を防ぐために建設された世界最大級の地下放水路で、事前予約(地下神殿コースなど4コース設定)で内部を見学することが可能
小平市ふれあい下水道館|東京都小平市
所在地:東京都小平市上水本町1-25-31
規模・内容:実際に使用している下水道管を見学できる日本で唯一の施設(ミュージアム)
地下5階(地下25m)に位置するふれあい体験室では、実際に使われている巨大な下水道管(小川幹線)の見学が可能で、しかも入館無料
備考:内径4.5mという実際の下水道の幹線を見学するので、かなりの悪臭を覚悟する必要があります
赤山地下壕跡|千葉県館山市
所在地:千葉県館山市宮城192-2
規模・内容:総延長約1.6kmの地下壕(トンネル)で、太平洋戦争末期の昭和19年頃から建設が始まったと推定されています
公開されているのは250mほど
備考:凝灰岩質砂岩を素掘りした地下壕は、全国でも珍しい地下の航空要塞
受付は、入口に位置する「豊津ホール」で行ない、ヘルメットを借りて入壕する仕組み
田谷の洞窟(定泉寺・瑜伽洞)|神奈川県横浜市
所在地:神奈川県横浜市栄区田谷町1501
規模・内容:鎌倉時代、真言密教の修行の霊窟として開削された洞窟で、現在も修行の場としての厳粛な宗教空間に
備考:全長500m以上という瑜伽洞の洞内には曼荼羅、十八羅漢、西国三十三所、坂東三十三観音、秩父三十四観音霊場、四国八十八所霊場などが彫られ、信仰の場であるだけでなく、芸術的な空間にもなっています
洞内の温度は通年16度前後と一定で、夏は涼しく、冬は暖かく感じられます
現在でも修行道場であり、参拝の場として公開されているため、洞内で騒いだり、撮影をすることは禁止(マナーを守って、厳粛に拝観を)
江の島岩屋|神奈川県藤沢市
所在地:神奈川県藤沢市江の島2-5
規模・内容:江戸時代には江の島詣(江島詣)で賑わったのは、江の島岩屋に祀られる江島弁財天参拝のため(源頼朝の命で岩窟に弁財天を祀ったもの)
備考:有料施設(観光洞窟)となっている江の島岩屋には2つの洞穴があり、第一岩屋は奥行き152m、第二岩屋は奥行き112mと日本有数の海食洞
現在では照明完備となっており、入口付近には江の島詣でが全盛時代に歌川広重が描いた岩屋の浮世絵や明治時代の写真を展示
室岩洞|静岡県松崎町
所在地:静岡県賀茂郡松崎町道部
規模・内容:江戸時代には江戸城の石垣を築くために、そして幕末には品川台場構築用に切り出されたという歴史ある石切り場の跡。
採石は江戸時代〜昭和29年頃まで行なわれ、昭和57年4月10日に照明設備を完備し、広さ約2000平方メートルの洞内を観光用に公開
備考:洞窟内は片道180mほどの遊歩道が設けられていますが迷路のように複雑で、天井は低いところだと1.5m。
水が溜まった地底湖もあり、出口をはうように抜け出すと、海岸の絶壁の上に位置する展望台が!
夏は涼しく、冬温かい! 地下神殿&地下迷宮 関東周辺10選 | |
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