日本最高所の鉄道駅といわれるのがJR小海線の野辺山駅(のべやまえき/標高1345.67m)。その近くにはJR最高地点(1374.906m)となる踏切があります。ところが、ここはあくまでもJR最高地点であって、鉄道最高地点ではありません。では、いったい、どこが鉄道最高地点なのでしょう? まずは鉄道とは!? の解説から。
トロリーバス、ケーブルカーも実は鉄道!
鉄道事業者(鉄道事業法で鉄道事業の許可を受けた者)を許可、管轄するのは国土交通省鉄道局ですが、その国土交通省鉄道局が監修する『鉄道要覧』には、次のように分類されています。
1.鉄道
(1)普通鉄道
(2)鋼索鉄道
(3)懸垂式鉄道
(4)跨座式鉄道
(5)案内軌条式鉄道
(6)無軌条電車
2.軌道
(1)軌道
(2)懸垂式モノレール
(3)跨座式モノレール
(4)案内軌条式
(5)浮上式
3.索道
(1)普通索道
(2)特殊索道
軌道というのは路面電車で、愛・地球博の観客輸送用に造られたリニモ(愛知高速交通東部丘陵線)は浮上式の軌道、つまりは「浮上式の路面電車に」ということ。
索道は、普通索道(ロープウェイ・ゴンドラリフト)、特殊索道(リフト)です。
つまり、路面電車や、ロープウェイなどは鉄道事業法の鉄道ではないことに。
話を鉄道に戻します。
普通鉄道は線路の上を走る、JRや私鉄、地下鉄。
さてさて、ここからが、本題。
鋼索鉄道は、ケーブルカーのこと。
つまり、ケーブルカーが鉄道となると、日本最高所のケーブルカーの駅が、当然ランクインすることに。
立山黒部アルペンルート途中、黒部ケーブルカーの黒部平駅は標高1828mで、JR小海線・野辺山駅を500mほど凌いで、暫定トップに。
続く、懸垂式鉄道、跨座式鉄道はモノレールのことで、高所にはないからパスできます。
案内軌条式鉄道は札幌市営交通(札幌地下鉄)、広島市のアストラムライン、千葉県佐倉市のユーカリが丘線のようにゴムタイヤで走る交通機関のことで、これもパスできます。
注目は1.鉄道の(6)無軌条電車。
無軌条電車とは聞き慣れない言葉ですが、軌条(レール)のない電車、つまりはトロリーバス(trolleybus)のこと。
トロリー(trolley)とは集電装置で架線からトロリーポールで電気をとって走る交通機関です。
簡易な設備投資で走れ、しかもエコ(排気ガスがない)ということで日本でも戦後の復興期、上野公園〜今井、亀戸〜池袋〜新宿〜渋谷〜品川に都営のトロリーバスが運行されていました。
現在、この無軌条電車(トロリーバス)が運行される国内唯一の場所が、立山黒部アルペンルートの立山トンネルトロリーバス(立山黒部貫光無軌条電車線)。
室堂ターミナル(富山県中新川郡立山町芦峅寺室堂)は、標高2450mで、堂々たる、日本最高所の駅になっているのです(ついでにいえば、ターミナルのそばコーナーは、「日本最高所の駅そば」)。
1位 室堂駅(標高2450m)立山黒部貫光無軌条電車線
2位 大観峰駅(標高2316m)立山黒部貫光無軌条電車線
3位 黒部平駅(標高1828m)立山黒部貫光鋼索線
4位 黒部湖駅(標高1455m)立山黒部貫光鋼索線
5位 野辺山駅(1345.7m)JR東日本・小海線
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