世界的にも珍しい、「活火山に氷河」が日本に!

御前沢氷河


アイスランドのヴァトナヨークトル国立公園(Vatnajökull National Park)は、10ヶ所の火山とヨーロッパ最大の氷河が形成した特異な景観で知られ、チリのハドソン山(Mount Hudson)も氷河のある活火山です。そんな「活火山に氷河」という異色のコラボが日本国内にも。それが北アルプス・立山連峰です。

活火山・立山連峰にはふたつの氷河が!

北アルプス・立山は、立山黒部アルペンルート途中の最高所・室堂平(標高2500m)に活発な噴気活動のある地獄谷があるように、まさしく活火山。
気象庁は「弥陀ヶ原火山」(みだがはらかざん)という名で、活火山に指定しています。
気象庁・火山噴火予知連絡会による活火山の定義は過去1万年以内の火山活動の有無ですが、立山は、江戸時代後期の天保7年(1836年)に地獄谷で小規模な水蒸気噴火、昭和21年と昭和24年、平成18年にも小規模な噴煙活動があり、まさしく活火山ということに。

「活火山に氷河」というコラボ対象の氷河ですが、氷河の定義は「重力によって長期間にわたり連続して流動する雪氷体(雪と氷の大きな塊)」と定義され、日本国内に氷河はないというのが常識でした。

この定説を打ち破り、国内初の現存する「氷河」として国際的に認められたのが、立山・御前沢氷河、そして剣岳の三ノ窓氷河、小窓氷河。
立山カルデラ砂防博物館が立山の雄山(3003m)東面の御前沢雪渓(ごぜんざわせっけい)、そして剣岳の三ノ窓雪渓、小窓雪渓を2年間、高精度GPSで測量し、2012年い氷体が流動していることが確認され(雪渓の下部に厚さ30m以上の氷体があり、1ヶ月間で最大32cm流動)、その流動量は、ヒマラヤなどの小型氷河の流動量に匹敵するものであることが判明したのです。

立山連峰では、2018年に内蔵助雪渓(くらのすけせっけい)も氷河であることが確認され、活火山・立山には御前沢氷河、内蔵助氷河というふたつの氷河があることがわかっているのです。

内蔵助カールの内蔵助雪渓(内蔵助氷河)
世界的にも珍しい、「活火山に氷河」が日本に!
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