黒江の町並み

黒江の町並み

和歌山県海南市の黒江地区に残る紀州藩の保護により紀州漆器(黒江塗)で栄えたレトロな家並みが、黒江の町並み。全長230mの川端通り周辺に紀州連子(きしゅうれんこ)と呼ばれる格子をもつ家が軒を連ね、一本南側に並走する裏道(職人町)には、ノコギリの歯のような独特の家並みが残されています。

裏道の職人町に「ノコギリ歯状の家並み」が

黒江の町並み

紀州漆器は、会津漆器(福島県)、越前漆器(福井県)、山中漆器(石川県)とともに四大漆器に数えられ、その製造の中心地が黒江だったため、黒江漆器と呼ばれています。

表の川端通りにはかつて運河が流れ、積み出しの拠点として機能したため、往時には表通りは問屋、裏通りは職人と住み分けがありました。

職人たちが居住する裏通りがノコギリ型の家並みとなったのは、一帯が埋立地で、平行四辺形の土地に道路に向かって四角の家を建てるために誕生したもの。
その証拠に、各家の玄関前に三角形の空き地があります(建て替えなどで、旧来の家は減少しています)。

川端通りに流れた運河は、暗渠(あんきょ)となり、通り沿いには塗師の家をそのまま利用した古民家カフェ「黒江ぬりもの館」や、国の登録有形文化財の老舗漆器卸問屋「池庄漆器店」(明治9年創業)、造り酒屋を再生した「温故伝承館」、酒造りの道具でデザインされた休憩所「黒牛茶屋」など見どころも豊富。
「池庄漆器店」では伝統の漆器を復活させた「黒江塗敷島盆」などの購入もできます。
紀州漆器伝統産業会館「うるわし館」には漆器の展示即売コーナーを併設し、漆器製品の購入が可能(予約で漆器蒔絵体験も)。

川端通りでは例年11月の第1土・日曜に、紀州漆器と黒江の町並みをテーマにした『紀州漆器まつり』を開催。 
また8月14日には江戸時代末期からの歴史を誇る夜市『下駄市』 も行なわれています。
この『下駄市』、漆職人が盆の数日間、故郷に里帰りする際、新しい下駄を履いて行くのに購入するのがルーツというもの。
現在では飲食の夜店がほとんどで、下駄の店はなくなってしまったため、意図的に下駄の店を復活させています。

黒江の町並み
ギザギザした「ノコギリ歯状の家並み」
黒江の町並み
名称 黒江の町並み/くろえのまちなみ
所在地 和歌山県海南市黒江
電車・バスで JR黒江駅から徒歩10分
問い合わせ 海南市産業振興課 TEL:073-483-8461
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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