道源寺坂

道源寺坂

東京都港区六本木1丁目、六本木アークヒルズ(Ark Hills)のスペイン坂の西に並走する坂道が、道源寺坂(どうげんじざか)。六本木通りから屈曲しながらスペイン坂に合流する坂で、江戸時代初期から坂上に道源寺があることが坂名の由来になっています。

坂上に建つ道源寺に由来する江戸時代からの坂道

坂名の由来となった浄土宗の寺、道源寺は今も健在。

永井荷風の日記『断腸亭日乗』(だんちょうていにちじょう)の昭和10年6月3日には、
「道源寺坂は市兵衛町一丁目住友の屋敷の横手より谷町電車通へ出づる間道に在り。坂の上に道源寺。坂の下に西光寺といふ寺あり。この二軒の寺の墓地は互に相接す。西光寺墓地の生垣は柾木にて其間に蔦と忍冬の蔓からみて茂りたり。五六月の交忍冬の蔓には白き花さき甘き薫りを放つ。花の形は図に描けるが如し」
と記され、当時、永井荷風は麻布市兵衛町1丁目(現・港区六本木1丁目)に建てた偏奇館に暮らしていたため、『断腸亭日乗』には何度もこの道源寺坂が登場、永井荷風ゆかりの坂道にもなっています。

また坂上には一願地蔵も立っていますが、六本木アークヒルズの竣工を祝して建立された新しいもの。
正保4年(1647年)に道玄坂近くに京・伏見から移転した西光寺もあり、アークヒルズのなかに小さな寺町(道源寺坂の北側、道沿い)を形成し、新旧の対比が面白い一角です。

再開発エリアながら、江戸の昔を少し体感できるのが、この道源寺坂ということに。
道源寺坂と並行するスペイン坂は昭和61年、アークヒルズの誕生で生まれた坂道で(渋谷にも同名の坂道があります)、文字通りスペイン大使館への道、その北側の桜坂は明治中期にできた坂道です(坂下に戦災まで大きな桜の木があったことが坂名の由来)。

道源寺坂
名称 道源寺坂/どうげんざか
所在地 東京都港区六本木1-3〜1-4
関連HP 港区観光協会公式ホームページ
電車・バスで 東京メトロ六本木一丁目駅から徒歩1分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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