不思議なワイングラス型の漁港があることをご存知でしょうか。もともとは砂浜の海岸で流砂の影響を受けて、満足な港がありませんでしたが、そこに島式漁港を築くことで、沿岸漁業の拠点が誕生したのです。島式漁港の建設には50億前後必要ですが、漁業の振興で十分ペイできるとのこと。
国縫漁港|北海道長万部町
島式漁港の第1号は北海道、噴火湾に
新しい漁業基地となる漁港の整備が必要とされた北海道、噴火湾に築かれた、島式漁港の第1号。
道央自動車道の国縫ICからは、国道5号へとアクセスする道道を走り、国道の信号をそのまま突っ切れば国縫漁港へと通じる橋に出ます。
橋の手前には小さいながら園地も整備されていますが、残念ながら地上からはイマイチ感動が湧きません。
長万部観光協会のブログページでは、美しいだけでなく、人と自然にやさしい、全国初の「ワイングラス型漁港」と自慢げに、美しい空撮画像も掲載されています。
道川漁港|秋田県由利本荘市
形状を活かして島式漁港公園として整備
このユニークな島式漁港、秋田県にもあります。
今や元祖の国縫漁港をしのぐネームバリューの道川漁港(秋田県由利本荘市岩城)です。
有名なのは道の駅「岩城」島式漁港公園岩城アイランドパークとして地域活性に活用しているから。
うたい文句は「本州初の島式漁港」「美しい日没」などですが、道の駅には岩城温泉港の湯、活魚センター・農産物直売所、ログハウスのレストランなども整備されています。
オートキャンプ場もあるので「島式漁港を訪ねてオートキャンプ」も可能です。
その形状から「ワイングラス型の漁港」という粋なネーミングが。
道川漁港と道の駅を結ぶのは岩城アイランドブリッジ。
ちなみに道川というのは字名です(由利本荘市岩城字道川)。
7月に行なわれる『日本海洋上花火大会』は、この道川漁港から打ち上げられます。
また冬になると漁港の港内にハタハタが押し寄せ、釣りスポットにもなっています
沓尾漁港|福岡県行橋市
周防灘(豊前海)に面した漁港で、漂砂の影響を島式で克服
福岡県行橋市沓尾にある沓尾漁港(くつおぎょこう)。
中世以来、今井津の湊として栄えたのは祓川の河口に位置していましたが、遠浅で河口に位置するため十分な水深が確保できないために島式の漁港を造ったというわけです。
小型底引き網を中心に刺し網、かご漁などを営む沿岸漁業の拠点になっています。
また、県立自然公園に指定された砂浜海岸は潮干狩りや海水浴の憩いの場で、橋で渡った島式漁港と砂浜海岸が共存しています。
「ワイングラス型の漁港」(島式漁港)とは!? 全国に3ヶ所の奇観! | |
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