北アルプスの活火山・焼岳に「噴火の危険」が迫る!? 登山禁止に!

「日本のグリンデルワルド」ともいわれる氷河地形(U字谷)の上高地。上高地入口の絶景の地、大正池は、焼岳の大正4年6月6日の大噴火で生じた泥流で梓川がせき止められて誕生した池です。気象庁は2025年3月4日(火)、焼岳の火山活動が高まっていることから「噴火警戒レベル2」に引き上げています。

焼岳が活発な状態(アンレスト)になりつつある!?

焼岳

気象庁によると焼岳では、3月3日14:00頃から山頂付近を震源とする微小な火山性地震が増加。
火山性地震の日回数(速報値)は、3月1日1回、2日0回、3日20回、4日15:00までに22回と増加したことを受け、3月4日16:00に火山の状況に関する解説情報を発表、2022年7月以来の「噴火警戒レベル2」で、「焼岳では、想定火口域から概ね1kmの範囲では、大きな噴石に警戒してください」と呼びかけています。

火山の山頂の直下の浅いところを震源とする火山性の地震と推測できることから、焼岳が活発な状態(アンレスト)になりつつあると考えられるのです。
ただし、 アンレストが生じても、必ず噴火に至るというわけではありませんが、警戒は必要です。

登山道のある新中尾峠、「焼岳小屋」などは1km圏ぎりぎりの場所で、上高地からの登山道も「焼岳小屋」に近い場所は1km以内に入るので、噴火時には大きな噴石が飛んで来る可能性もあり、「噴火警戒レベル2」が解除されない限りは、登山は無理ということになります。
さらに気象庁では「噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある」と注意を呼びかけています。
火山活動の活発化を受け松本市は、登山の禁止を伝える看板を登山口に設置(長野県警察本部のヘリコプターで目視で登山者ゼロを確認)、登山禁止となりました。

焼岳は、人工衛星を利用して位置を測定する衛星測位システムのGNSS(Global Navigation Satellite System)連続観測で、山頂付近で緩やかな膨張を示すと考えられる変化が継続し、中長期的にも火山活動が高まっています。
山頂付近の噴気の状況には変化はありませんが、その噴気も安定期に比べると温度が高い状態になっています。

現状では山体の膨張は観測されていませんが、今後の経過には注目が必要です。

焼岳
北アルプス・焼岳に噴火の危険が!? 登山禁止に!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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