山形県飽海郡遊佐町、鳥海山の南西の山腹を走る山形県道60号(酒田遊佐線)沿い、鳥海湖付近から流れ出た溶岩流末端に位置する滝が胴腹滝(どうはらたき)。鳥海山の伏流水が岩場から湧き出す滝で、県内外の人の水汲みスポットになっています。冬でも凍ることがなく、水汲みの人が絶えることはありません。
県内外の人が水を汲みに来る名水の湧く地
落差3mほどの滝となって湧出する場所は左右2ヶ所ありますが、地元の人の話では「左右で味が違う」とのことで、右の水を汲む人、左の水が好みの人、半分ずつ混ぜる人など様々。
常連の話では、「左の滝は水出しのアイスコーヒーに、右の滝は少しまろやかななので日本茶に合う」とのことで、用途によって使い分けるという人も。
飲み比べても味の違いは定かでありませんが、水温は平均で8.5度前後(融雪期の最低水温7.9度、夏季の最高水温9.1度)、カルシウム、マグネシウムなどの硬度は11mg/l、蒸発残留物も40mg〜50mg/lと少なく、癖のない軟水です。
水温などから標高1700mくらいからの地下浸透した水が、ここに湧き出していると推測されています。
山形県道60号(酒田遊佐線)の駐車場から10分ほど歩いて探勝します。
一帯は、「山形県里山環境保全地域」として保護され、2つの滝の間には社が建っていますが明治時代まで修験者の行場になっていた名残りです。
鳥居には不動尊とあるので、神仏習合時代(明治初年の神仏分離以前)には不動明王が祀られていたことがわかります。
胴腹瀧不動堂(真言宗醍醐派)で、子安大聖不動明王が本尊。
胴腹滝という風変わりな滝名は、身体の胴腹部から湧水が流れ出ているような様に由来ともいわれますが、胴腹瀧不動堂の縁起によれば、子安大聖不動明王が胴から腹を守護するからだとも。
胴から腹を守護することから安産の信仰もありました。
山形県道60号(酒田遊佐線)をさらに上った先には二ノ滝(一ノ滝、二ノ滝、三ノ滝が連続)もあるので、時間が許せば合わせて探勝を。
胴腹滝は、二ノ滝とともに、鳥海山・飛島ジオパークのジオサイトになっています。
胴腹滝 | |
名称 | 胴腹滝/どうはらたき |
所在地 | 山形県飽海郡遊佐町吉出 |
電車・バスで | JR遊佐駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 日本海東北自動車道遊佐比子ICから約14km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 遊佐鳥海観光協会 TEL:0234-72-5666 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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