山梨県大月市駒橋、中央本線、国道20号が脇を通る桂川沿いにある歴史ある発電所が東京電力リニューアブルパワー駒橋発電所。明治40年、相模川水系相模川(桂川)に建設された発電所。大容量の電気を東京に送電した最初の水力発電所で、今も現役で稼働しています。
水力中心の発電へと変えた長距離送電発祥の地
明治40年12月20日、東京電燈が、水車6台で1万5000kWを発電したのが最初で、日本発送電、東京電力、東京電力ホールディングス、そして令和2年から東京電力リニューアブルパワーの運営になっていますが、今も現役。
東京では増大する電力需要を賄うために浅草火力発電所(明治28年発電開始)などが建設されていましたが、日露戦争の影響で石炭の供給不足が懸念され、石炭の価格も高騰したため、東京電燈はアメリカの超長距離送電技術を取り入れ、水力発電による東京への遠距離送電を計画したのです。
日本初の電力会社である東京電燈は、76kmの送電線と早稲田に変電所を建設するという画期的な長距離送電水力発電を計画。
明治39年に着工し、明治40年12月20日、待望の水力電気が5万5000Vという送電電圧で、麻布、麹町(こうじまち)に歴史に残る送電を行なったのです。
その後、全国で中長距離の高圧送電を利用した水力開発が活発化し、大正初期には水力発電所の出力が火力発電所の出力を超え、水主火従の時代へと突入。
各地に大容量水力発電の開発が進んだことによって、電気料金も下がり、結果として電気利用の拡大にも繋がっていきました。
こうした発電の変遷から、駒橋発電所は、水主火従に導いたエポックメーキングな長距離送電発祥の地として知られているのです。
現在経年劣化により1号機、2号機は撤去され、新たな設備を設置。
現在は2台の水車発電機で、2万2200kWの最大出力を有しています。
駒橋発電所の建物は国の登録有形文化財に指定されています。
また、桂川本流に沿って8ヶ所の発電所が稼働していますが、使用した水を下流の発電所にリレー形式で送る形で結ばれ、名勝・猿橋の東側にある八ツ沢発電所一号水路橋もその一部です。
駒橋発電所 | |
名称 | 駒橋発電所/こまばしはつでんしょ |
所在地 | 山梨県韮崎市若宮1-8−21 |
電車・バスで | JR猿橋駅から徒歩15分 |
ドライブで | 中央自動車道大月ICから約5km |
問い合わせ | 東京電力リニューアブルパワー TEL:0551-37-2172/FAX:0551-37-2049 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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