日本の灯台50選・東北の灯台9ヶ所

日本の灯台50選・東北の灯台9ヶ所

平成10年11月1日の第50回灯台記念日の行事として、海上保安庁が募集し一般の投票によって選ばれた「あなたが選ぶ日本の灯台50選」。東北エリアからは本州最北端の大間埼灯台(青森県大間町)、本州最東端の魹ヶ埼灯台(岩手県宮古市)、東北最初の灯台として点灯した尻屋埼灯台(青森県東通村)など9ヶ所の灯台が選定されています。

尻屋埼灯台|青森県東通村

所在地:青森県下北郡東通村尻屋尻屋崎
初点灯:明治9年10月20日、昭和20年にアメリカ軍の機銃掃射を受けてで破損(村尾常人標識技手が殉職)、昭和26年灯台復旧
塔高:32.82m
灯火標高:45.70m
構造:塔形(円柱)、レンガ造(二重のレンガ壁)
塗色:白色
備考:リチャード・ヘンリー・ブラントン設計で、国の登録有形文化財
日本で初めて霧鐘(明治10年)・霧笛(明治12年)が設置された灯台、日本初の自家発電の電気式灯台(明治34年)
周辺は寒立馬(かんだちめ)の放牧場
経済産業省の近代化産業遺産(「安全な船舶航行に貢献し我が国の海運業等を支えた燈台等建設の歩みを物語る近代化産業遺産群」)

尻屋崎(尻屋埼灯台)

下北半島東端の岬。先端は草原状となり白亜の尻屋埼灯台が建っています。灯台は明治9年、「日本の灯台の父」と称されるブラントンによって設計された灯台で、レンガ造りの灯台としては日本一の高さ。「日本の灯台50選」にも選定。周辺の草原には南部藩の牧

大間埼灯台|青森県大間町

所在地:青森県下北郡大間町大間弁天(大間崎)
初点灯:大正10年11月1日、昭和27年の十勝沖地震で破損し、昭和28年2代目を再建
塔高:25.4m
灯火標高:36m
構造:塔形(円柱)、コンクリート造
塗色:白色に黒横帯2本塗
備考:本州最北端の大間崎沖合の弁天島に建つ

大間埼灯台

本州最北端、下北半島大間崎のさらに沖合にある弁天島に建つ灯台が、まさに本州最北端の大間埼灯台。津軽海峡の航路の安全を守るために大正10年11月1日に初点灯(昭和27年の十勝沖地震で破損し、昭和28年2代目を再建)。白と黒のツートンカラーに塗

龍飛埼灯台|青森県外ヶ浜町

所在地:青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜(竜飛岬)
初点灯:昭和7年7月1日
塔高:13.72m
灯火標高:119m
構造:塔形(円柱)、コンクリート造
塗色:白色
備考:有人灯台時代には公開灯台(平成18年4月1日無人化)
津軽海峡越しに北海道を眺望

龍飛埼灯台

石川さゆりの大ヒット曲『津軽海峡・冬景色』にも歌われる龍飛崎(竜飛岬)の突端に建つのが龍飛埼灯台(たっぴさきとうだい)。津軽海峡の航路の安全のため昭和7年に初点灯した灯台で、日本の灯台50選のひとつ。津軽海峡を見守る灯台灯高は13.72mで

鮫角灯台|青森県八戸市

所在地:青森県八戸市鮫町
初点灯:昭和13年2月16日
塔高:22.73m
灯火標高:57.60m
構造:塔形(円柱)、コンクリート造
塗色:白色
備考:近くにはウミネコの繁殖地として知られる蕪島、タイヘイ牧場、風光明媚な種差海岸、葦毛崎展望台があります
例年、4月中旬〜10月下旬の間、八戸市が開放事業を実施

鮫角灯台

八戸市(はちのへし)の葦毛崎展望台(あしげざきてんぼうだい)の西、八戸港に出入りする船を見守る灯台が鮫角灯台(さめかどとうだい)。昭和13年2月16日に初点灯した灯台で、青森県では尻屋埼灯台、大間埼灯台、龍飛埼灯台と並んで「日本の灯台50選

入道埼灯台|秋田県男鹿市

所在地:秋田県男鹿市北浦入道埼昆布浦(入道崎)
初点灯:明治31年11月8日(六角形・鉄造)、昭和26年に改築(2代目建設)
塔高:27.92m
灯火標高:57.00m
構造:塔形(円柱)、コンクリート造
塗色:白色に黒横帯3本塗
備考:灯台資料展示室を併設
北緯40度線上の灯台で(経度、緯度を記した石塔が立つ)、太平洋側の陸中黒埼灯台と対をなしています
一帯は草原で夕日の名所

入道埼灯台

入道埼灯台

秋田県男鹿市の男鹿半島、入道崎の突端に立つ白と黒のツートンカラーのが入道埼灯台。北緯40度線上の灯台として、太平洋側の陸中黒埼灯台(岩手県普代村)と対をなしています。明治31年に初点灯した灯台は、「日本の灯台50選」にも選ばれています。グリ

陸中黒埼灯台|岩手県普代村

所在地:岩手県下閉伊郡普代村第2地割下村(黒崎)
初点灯:昭和22年4月17日(黒崎漁業協同組合が「譜代灯柱」として設置)、昭和26年国に移管
塔高:11.95m
灯火標高:142.85m
構造:塔形(円柱)、コンクリート造
塗色:白色
備考:北緯40度線上の灯台で、日本海側の入道埼灯台と対をなす
陸中海岸黒崎の断崖上に建ち、隣接して黒崎展望台、南部藩(盛岡藩)の黒崎砲台跡があります。

陸中黒埼灯台

陸中黒埼灯台は、三陸復興国立公園・黒崎の先端、海抜130mの断崖に立つ白亜の陸中黒埼灯台(灯火標高142.85m)。昭和22年に黒崎漁業協同組合が「譜代灯柱」として点灯した歴史があるユニークな灯台です。光達距離は29.5海里(約54km)で

魹ヶ埼灯台|岩手県宮古市

所在地:岩手県宮古市魹ヶ崎(とどがさき)
初点灯:明治35年3月1日(鉄造)、昭和20年に太平洋戦争で破壊され、昭和25年に再建(コンクリート造)
塔高:134m
灯火標高:58m
構造:塔形(円柱)、コンクリート造
塗色:白色
備考:魹ヶ崎は本州の最東端の岬

魹ヶ埼灯台

本州最東端の岬、魹ヶ崎に立つ魹ヶ埼灯台(とどヶ埼灯台)。秘境である重茂半島の魹ヶ崎には、明治35年に灯台が初点灯。終戦間際に被災し、現在の灯台は昭和25年に再建された2代目です(内部の見学は一般公開日以外は不可)。三陸復興国立公園のエリア内

金華山灯台|宮城県石巻市

所在地:宮城県石巻市鮎川浜金華山(金華山は島全体が黄金山神社の神域)
初点灯:明治9年11月1日、昭和20年にアメリカ海軍の潜水艦による艦砲射撃で破壊され(灯台長が殉職)、昭和21年復旧
塔高:12.82m
灯火標高:54.6m
構造:塔形(円柱)、石造(花崗岩)
塗色:白色
備考:リチャード・ヘンリー・ブラントン設計で、国の登録有形文化財(北アメリカ航路の船舶は、金華山を目指して太平洋を航行)
経済産業省の近代化産業遺産(「安全な船舶航行に貢献し我が国の海運業等を支えた燈台等建設の歩みを物語る近代化産業遺産群」)

金華山灯台

金華山の東端、鮑荒崎に建つ金華山灯台。「灯台の父」と呼ばれるリチャード・ヘンリー・ブラントン(Richard Henry Brunton)設計の灯台で、明治9年11月1日に初点灯した歴史ある灯台です。全国に23基しかないAランクの保存灯台、

塩屋埼灯台|福島県いわき市

所在地:福島県いわき市平薄磯宿崎(塩屋崎)
初点灯:明治32年12月15日(レンガ・石造)、昭和15年に鉄筋コンクリート造に改築、昭和20年にアメリが軍機や潜水艦からの攻撃を受けて破壊(灯台職員も殉職)、昭和25年復旧
塔高:24m
灯火標高:73m
構造:塔形(円柱)、コンクリート造
塗色:白色
備考:映画『喜びも悲しみも幾歳月』(昭和32年公開、監督:木下恵介、主演:高峰秀子・佐田啓二)の原案は塩屋埼灯台長夫人・田中きよの手記「海を守る夫とともに20年」
灯台近くに美空ひばり『みだれ髪』歌碑(雲雀乃苑)、『喜びも悲しみも幾歳月』記念碑が立っています

塩屋埼灯台

福島県いわき市、小名浜港の北、いわき七浜の中央に突き出した岬の断崖に建つ塩屋埼灯台は、「日本の灯台50選」にも選ばれた灯台。かつて塩屋崎沖は、海上交通の難所として知られ、船舶の沈没が多かったところ。明治33年初点灯の灯台は昭和13年の福島沖

日本の灯台50選・東北の灯台9ヶ所
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世界灯台100選選定! 日本の灯台5ヶ所

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