「美しい町の小さな美術館」をコンセプトに造られた愛媛県今治市玉川町にある市立美術館で、徳生忠常(とくせいただつね)が設立、旧玉川町に寄贈したもの。徳生氏は旧玉川町に生まれ、東京に出て月賦販売会社「丸興」(現・OMCカード)経営で成功を収めています。
徳生忠常が地元・玉川町に寄付した美術館
徳生忠常は、「商イハオ客サント共ニ栄エ、利運ノ財ハ社会ニ還元スル」という理念で、故郷の玉川町に美術館をと考え、美術収集家として著名な大川栄二(「丸興」が経営不振の際に出向で会長となったダイエーの副社長、桐生の大川美術館館長)に依頼し、昭和61年12月3日、美術館を誕生させたのです。
町に負担にならないよう当面の管理資金まで工面すること、玉川総合公園建設時の銅像建設辞退からも、徳生忠常氏の人柄がよくわかります。
玉川近代美術館の展示作品は、近代洋画の大家である黒田清輝、藤島武二、異色画家として知られる中村彝(なかむらつね)、松本竣介(まつもとしゅんすけ)、野田英夫の作品を中心に、郷土出身画家の作品、さらにはピカソ、ルオー、ユトリロまで常時130点余りを展示。
小品ながら近代洋画史を見渡せるような展示内容となっているのです。
玉川近代美術館の設計した建築家・松本莞は、展示される洋画家・松本竣介の次男。
今治市には、市立の美術館だけで、玉川近代美術館のほか、大三島美術館、ところミュージアム大三島、河野美術館の4館があり、文化・芸術の町としても注目されています。
玉川近代美術館 | |
名称 | 玉川近代美術館/たまがわきんだいびじゅつかん |
所在地 | 愛媛県今治市玉川町大野甲86-4 |
関連HP | 今治市公式ホームページ |
電車・バスで | JR今治駅からせとうちバス神子森行きで20分、大野下車、すぐ |
ドライブで | 西瀬戸自動車道今治ICから |
駐車場 | 8台/無料 |
問い合わせ | 玉川近代美術館 TEL:0898-55-2738/FAX:0898-55-2738 |
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