愛媛県西条市、西日本最高峰・石鎚山中腹、標高750mのところにある真言宗御室派の寺、横峰寺(よこみねじ)。空海(弘法大師)自刻と伝わる大日如来像が本尊で、四国八十八ヶ所霊場第60番札所。神仏習合時代の石鎚山の西遥拝所。四国八十八ヶ所霊場のなかでも雲辺寺に次ぐ高所に位置しています。
空海が石鈇山蔵王権現を感得した伝わる古刹
白雉2年(651年)、修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ=役行者)により開かれた修験道の道場のひとつで、天平年間(729年~749年)には行基、大同年間(806年~810年)には空海がも入山したと伝わります。
石鎚山は、役行者が星が森で修行中に、蔵王権現を感得したことに始まるという山岳信仰の霊場。
その後、石鎚神社の別当寺となりますが、明治の神仏分離で石鎚山遙拝所横峰社となり、さらに明治42年に横峰寺(真言宗御室派)に戻されています。
江戸時代までの四国八十八ヶ所霊場巡拝では、5町未申の方角(0.5kmほど南西)に上がった鉄ノ鳥居(星ヶ森)で参拝後、当時は7合目にあった石鈇山蔵王権現(前神寺)へ足を運ぶのが行程で、明治の神仏分離・廃仏毀釈で前神寺が山麓に降りた異などで様相は激変しています。
横峰寺も廃仏毀釈の荒波を受け、明治8年に廃寺となりますが、明治13年、檀家の尽力もあって大峰寺の名前で復興し、明治42年にようやく横峰寺に戻されています。
今も石鎚山の西の遥拝所として、霊山の素晴らしい眺望を得ることができ、毎年5月上旬には、境内のシャクナゲが一斉に咲き誇ります。
現在の本堂が建つ場所は、神仏習合時代に石鈇山大権現(いしづちやまだいごんげん)を祀る石鈇社があった場所。
大師堂は、かつての大日堂の跡に建っています。
星ヶ森(横峰寺奥之院)は、石鎚山遥拝所として国の名勝に指定。
山門から二十丁の位置にある湯浪休憩所付近までの遍路道と境内は、「伊予遍路道 横峰寺道・横峰寺境内」として国の史跡になっています。
ちなみに、60番札所・横峰寺に至る道は、12番札所・焼山寺、20番札所・鶴林寺、21番札所・太龍寺、66番札所・雲辺寺、81番札所・白峯寺とともに「遍路ころがし」(お遍路さんが転げ落ちるくらい急な坂道が続く難所)と恐れられた場所です。
現在では、上の原〜横峰寺に平野林道(有料林道)を走る「横峰寺登山参拝バス」も運行されています。
四国八十八ヶ所霊場 霊場間の距離・時間
59番札所・国分寺(愛媛県今治市国分) — (30km/1時間30分) — 60番札所・横峰寺(愛媛県西条市小松町石鎚甲) — (10km/35分) — 61番札所・香園寺(愛媛県西条市小松町南川甲)
横峰寺(四国八十八ヶ所霊場第60番札所) | |
名称 | 横峰寺(四国八十八ヶ所霊場第60番札所)/よこみねじ |
所在地 | 愛媛県西条市小松町石鎚2253 |
関連HP | 四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ |
電車・バスで | JR伊予西条駅からせとうちバス石鎚方面行きで40分、黒瀬峠下車、山頂行きバスに乗り換え20分、山頂下車、徒歩10分 |
ドライブで | 松山自動車道いよ小松ICから約16km |
駐車場 | 60台/有料(横峰寺専用平野林道通行料も含む) |
問い合わせ | 横峰寺 TEL:0897-59-0142 |
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