女子岬製錬所跡

女子岬製錬所跡

愛媛県西宇和郡伊方町、佐田岬半島の付け根に近い女子鼻(めっこはな=女子岬)にあるのが、女子岬製錬所跡(めっこみさきせいれんじょあと)。明治31年、当時の町見村の女子鼻に開設された銅製錬所の跡で、石積みやレンガの遺構が残され、往時を偲ぶことができます。

全長860mの女子岬遊歩道も整備され、探勝可能

明治31年に創業を開始し、大正初期にかけて銅製錬が行なわれた精錬所ですが、銅相場の暴落(第一次世界大戦終戦後に大暴落)や煙害による付近の住民の反対などで創業が困難となり、精錬所は閉鎖、女子鼻(めっこはな)に整備された女子岬遊歩道沿いに、その遺構が残り、海岸にも製錬過程でできるからみ(銅の製錬時に出る副産物)、船着場跡などが点在しています。

明治41年の資料によると、製銅高21万t、従業員は男工15人、女工7人。
鞴(ふいご)吹き分けの原始的製錬所だったので、夏期は煙害防止で創業を停止するなどしていました。
明治38年に日露戦争が集結し、その後の景気向上で、施設の近代化が図られましたが、それも間に合わず、大正初期に閉じています。
岬一帯に多数残る石積みは、鉱石を焙焼する焼鉱炉の跡で、往時には57もの炉が稼働。

女子岬遊歩道(全長860m)はかなりアップダウンがあるので、歩きやすい靴が必要。
精錬所の遺構は、女子鼻灯台を取り囲むように残存しています。

ちなみに佐田岬半島には、明治・大正時代、中小零細の新興事業主が鉱山を開発。
三崎精錬所、女子岬精錬所、沖合の佐島の佐島精錬所など80ヶ所ほどの精錬所が稼働していました。
南予地方の鉱山は、中小零細事業者が主体のため、好不況の影響を大きく受け、閉山となるものも多かったのです。

女子岬製錬所跡
名称 女子岬製錬所跡/めっこみさきせいれんじょあと
所在地 愛媛県西宇和郡伊方町九町
関連HP 伊方町公式ホームページ
ドライブで 松山自動車道大洲北只ICから約29km
駐車場 15台/無料
問い合わせ 伊方町産業課観光商工室 TEL:0894-38-0211
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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