愛知県名古屋市中区の特別史跡に指定される名古屋城・本丸にある櫓(やぐら)のひとつが、西南隅櫓。藩政時代に3ヶ所あった隅櫓のうち、北東隅櫓の丑寅隅櫓(うしとらすみやぐら/丑寅=北東)は名古屋空襲で焼失していますが、西南隅櫓、東南隅櫓は往時のままに現存し、国の重要文化財に指定。
休園日を除いて常時内部が公開される隅櫓
西南隅櫓・未申隅櫓(ひつじさるすみやぐら/未申=西南)は、その名の通り、本丸の西南の角を守備する櫓で、周囲に多聞櫓(たもんやぐら)が巡らされていました。
東西11.8m、南北13.5m、高さ14.1mというかなりの規模の隅櫓で、一層目の屋根を付けていないため、2階建てに見えますが、内部は3階建てになるという珍しい形式。
建てられたのは、築城から間もない慶長17年(1612年)頃で、2階西面と南面には、千鳥破風(ちどりはふ=屋根の斜面に設けた小さな三角形の破風)を装飾し、一見すると優美な感じですが、堀から侵入する敵軍を攻撃するための石落しを設けるという実戦的な構造も。
元和元年(1615年)、尾張藩藩主の住居かつ尾張藩の政庁となる本丸御殿も完成しているので、まさに名古屋城の完成時に構築された隅櫓が現存ということになります。
菊紋の鬼瓦、棟瓦があるのは、名古屋城は、明治26年〜昭和5年は宮内省の名古屋離宮だったため、大正時代、宮内省による修復が行なわれた際、変更されたもので、もともとの紋ではありません。
内堀越しに名古屋城の天守と隅櫓のツーショットが撮影できるのも、この西南隅櫓だけなので、お見逃しなく。
名古屋城・西南隅櫓 | |
名称 | 名古屋城・西南隅櫓/なごやじょう・なんせいすみやぐら |
所在地 | 愛知県名古屋市中区本丸1-1 |
関連HP | 名古屋城公式ホームページ |
電車・バスで | 名古屋市営地下鉄名古屋城駅から徒歩5分 |
駐車場 | 正門前駐車場(319台/有料)、二之丸東駐車場(202台/有料) |
問い合わせ | 名古屋城総合事務所 TEL:052-231-1700 |
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