那古野城

那古野城

愛知県名古屋市中区、現在の名古屋城二之丸跡にあった中世の城が、那古野城(なごやじょう)。大永年間(1521年〜1528年)に今川氏親(今川義元の父)が築城した城ですが、織田信長が育ち、さらには徳川家康が駿府生活の前、人質生活を過ごした時代に信長と出会った可能性も指摘されています。

織田信長が元服、そして初陣を果たし、結婚式を挙げた城

駿河・遠江守護の今川氏親(いまがわうじちか)は、尾張東部まで支配領域を伸ばし、尾張進出の拠点として築いたのが那古野城。
天文7年(1538年)、勝幡城(しょばたじょう)の織田信秀(おだのぶひで=織田信長の父)は計略により(織田信秀は今川氏豊の連歌会に足繁く通い、城に兵隊を導き入れる)、今川氏豊(いまがわうじとよ)の居城・那古野城を奪取(那古野合戦)。

弘治元年(1555年)、織田信長は尾張統一を目指して一族の織田信友を滅ぼし清洲城に移ったため、やがて廃城に。
徳川家康が江戸に幕府を開いた後、伊勢湾から運河を引き込むことのできるこの旧地に目をつけて、天下普請(てんかぶしん)で巨大な名古屋城を築城し、那古野城は二之丸の一角に取り込まれ、遺構を失っています。

織田信長の生誕の城に関しては、那古野城との説もありましたが、公家・山科言継(やましなときつぐ)の『言継卿記』の記述(信長生誕時には那古野城はまだ今川家の手中にあったとする記述)などから、近年では勝幡城が生誕地として有力です。
ただし、織田信長13歳の元服、14歳の初陣も、濃姫を迎えた15歳の結婚式も、那古野城が舞台です。

竹千代(徳川家康)は那古野城で信長に出会った!?

天文16年(1547年)、那古野城の織田信秀が大軍を岡崎に送って総攻撃の動きをみると、松平広忠(まつだいらひろただ=徳川家康の父)は駿府の今川義元に援軍を求めますが、今川義元は見返りに人質を求めたため、6歳になった竹千代(徳川家康)を駿府に送ります。
その途中、田原城主・戸田宗光の裏切りにあり(織田信秀に買収されていました)、織田信秀の元に送られたのです。
竹千代は織田信秀が庇護していた豪商・加藤図書助順盛(かとうずしょのすけのぶもり)の邸宅に預けられ、その後織田信秀が織田家の菩提寺として開基した萬松寺(万松寺)に預けられます。

現在は名古屋の繁華街・大須に建ち、大須の万松寺として知られていますが、当時は那古野城の南側、現在の名古屋市中区錦と丸の内2、3丁目にまたがる一帯に織田家の庇護のもと広大な寺域(5万5000坪)を所有していました。
竹千代が那古野城に出向くことがあったなら、信長と出会ったかも・・・と推測されているのです(歴史的な裏付けはありません)。

竹千代はその後、織田信秀の息子・織田信広(織田信長の異母兄)と竹千代の人質交換(現・名古屋市南区の笠寺観音)で、当時は名古屋よりも繁栄していた駿府へと移送され、今川義元の元で文武を学び、大きく成長していくのです。

那古野城
名称 那古野城/なごやじょう
所在地 愛知県名古屋市中区二の丸1
関連HP 名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所公式ホームページ
電車・バスで 名古屋市営地下鉄名古屋城駅から徒歩5分
駐車場 正門前駐車場(319台/有料)、二之丸東駐車場(202台/有料)
問い合わせ 名古屋城総合事務所 TEL:052-231-1700
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

名古屋城 二之丸庭園

名古屋城の二之丸庭園は、尾張藩の初代藩主、徳川義直が築いた庭園で、元和年間(1615年〜1623年)に二之丸御殿の造営にともない御殿の北側に聖堂(金声玉振閣)を中心として作庭された大名庭園です。御三家筆頭の尾張藩の大名庭園は、江戸の藩邸の庭

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熱田羽城・加藤図書屋敷跡(徳川家康幼時幽居地)

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愛知県名古屋市熱田区伝馬2丁目、熱田神宮の南、宮の渡し(七里の渡し渡船場)の東にあるのが、熱田羽城・加藤図書屋敷跡(徳川家康幼時幽居地)。徳川家康は、幼少時、織田家の人質として豪商・加藤図書助順盛(かとうずしょのすけのぶもり)の邸宅に幽閉さ

 

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