謎の新幹線ALFA-Xとは!?

ALFA-X

「見たこともない新幹線が大宮駅のホームに!」など、SNSなどでよく話題になるのが、謎の新幹線とも称される「ALFA-X」(アルファエックス)。JR東日本が次世代新幹線の開発に向けた試験を行なう車両として2019年5月に誕生したもので、特徴ある先頭部のシャープな形状から、「見たこともない新幹線」ということに。

次世代新幹線プロジェクトとして登場した「ALFA-X」

謎の新幹線ALFA-X
先頭車両は1号車

北海道新幹線札幌開業を視野に(2030年に次世代の営業車両のデビューが予定されています)、360km/h営業運転が可能な営業車両の開発を目的に、次世代新幹線プロジェクトとして登場したのが新幹線高速試験車「ALFA-X」(アルファエックス)。

先頭などの形状は「風の流れによって作られる『削ぎ』や『うねり』『広がり』といった要素を取り込んだ」(JR東日本)ということですが、先頭の1号車は、高速でトンネルに突入する際の圧力波を抑え、しかも鼻先の長さを極力伸ばさずに室内のスペースを確保するという大きな使命を帯びています。
鼻先を伸ばせばトンネル進入時の圧力波が軽減しますが、その分、先頭車両の座席が減少していまいます。
もう片方の先頭になる10号車は、先頭部の長さを22mまで伸ばしたロングノイズ。
この長ーい鼻先が、「見たこともない新幹線」というSNSでの投稿を呼ぶのです。

2011年の東日本大震災の経験から、地震発生時の対策も施され、大きな揺れを抑えて脱線しにくくするための「地震対策ダンパ」、さらには地震発生時に、乗客の負担なく素早く停車させるという機能をも有しています。
屋根の上にはより早く列車を停めるため、長方形の板を立ち上げ、空気抵抗によって減速させる「空力抵抗板ユニット」も搭載。

将来の自動運転を目指すうえでのスムーズな車両の制御を行なう基礎研究も始まっています。

ちなみに、「ALFA-X」は、「Advanced Labs for Frontline Activity in rail eXperimentation」(鉄道実験における最先端の活動を行うための先進的な試験室)に由来。

新幹線には、高い技術水準が求められ、高速性能と快適、安全性を支える各部品にも時間をかけての検証が必要となります。
加えてランニングコスト、メンテナンスのしやすさなども要求されるため、JR東日本研究開発センターでの試験を経て、厳しい条件設定をクリアした製品が「ALFA-X」に搭載され、実証実験が行なわれて、実用化への目処をつけるというプロセスです。
この経験を経て、量産先行車が生産されるので、実際には新しい新幹線車両の誕生には10年以上が費やされることになります。

ちなみに、「ALFA-X」は次世代新幹線だけでなく、その先の新幹線をも見据えて、さまざまな基礎研究も行なっているとのこと。
新幹線のイノベーションを背負って走るのが、JR東日本の新幹線高速試験車「ALFA-X」なのです。

「ALFA-X」は、残念ながら現在は運行予定や時刻表は一切非公開なので、目にできるのかは運任せ。
2022年度からは、開発品の耐久性の確認などを目的に、営業列車の走行する時間帯で試験を実施しているので、東北新幹線の仙台~新青森間がメイン。
大宮駅での目撃例も増加しており、過去には「毎週火曜に大宮駅に」という情報が拡散したことも。
確率的には折り返し駅である新青森駅、仙台駅、その次に大宮駅が期待できそうです。

謎の新幹線ALFA-X
謎の新幹線ALFA-Xとは!?
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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