青森県十和田市と秋田県鹿角郡小坂町にまたがる湖が十和田湖。十和田カルデラのカルデラ湖で、水の流出口・子ノ口(ねのくち)から流れ出すのが有名な奥入瀬渓流です。観光の拠点は十和田神社の鎮座する休屋地区とその周辺。カルデラを囲む外輪山には、発荷峠展望台、瞰湖台(かんこだい)、御鼻部山展望台などの展望スポットがあります。
外輪山に位置する展望台を巡ろう
直径11kmの巨大なカルデラ湖の十和田湖。
湖の西側外輪山を走る国道454号沿いには発荷峠展望台、紫明亭展望台、白雲亭展望台、鉛山峠、滝ノ沢峠と展望地が並んでいます。
観光の拠点である休屋の御前ヶ浜には、高村光太郎作のブロンズ像『乙女の像』が立っています。
これが十和田湖のシンボル的な存在。
昭和28年秋、国立公園指定15周年記念事業で建立されたものです。
休屋地区にはボーリングで温泉(十和田湖畔温泉/ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物・炭酸水素泉)が湧出、旅館・ホテルに給湯されています(少し離れた「十和田プリンスホテル」も温泉です)。
十和田湖遊覧船も休屋から発着。
休屋から子ノ口への国道103号沿いには御倉半島と中山半島が突き出し、2つの半島の根元に人気の展望台・瞰湖台(標高583m)があります。
御倉半島と中山半島の間にある中湖(なかのうみ)は、6300年前に爆発した五色岩火山の中心火口(カルデラ内のカルデラ)で、十和田湖の最深部はここにあります。
瞰湖台から眺めると眼下の湖水が濃いブルーなのはそのためでもあるのです。
中湖西側の御倉半島は、延喜15年(915年)の火山活動で誕生した溶岩ドームなので、十和田湖全体が休止状態にある活火山だということがわかります。
湖の北にある御鼻部山展望台(標高1011m)は、国道102号沿いにあり、車で到達できる外輪山の最高点。
御倉半島、中山半島を対岸に、晴れていれば八幡平(はちまんたい)、岩手山まで眺めるワイドな視界が広がります。
和井内貞行と『十和田のヒメマス』
和井内貞行(わいないさだゆき)のヒメマス養殖にまつわる和井内神社も国道454号沿いです。
南部藩領の鹿角郡毛馬内村(現:秋田県鹿角市)に生まれた和井内貞行は、明治14年、工部省小坂鉱山寮に吏員として採用されて小坂鉱山に赴任しますが、勤務の傍ら、魚の棲息しない十和田湖での養殖研究に乗り出します。
十和田湖畔に旅館「観湖楼」を創業し、人工孵化場を建設。
阿寒湖から支笏湖に移植されたカバチェッポ(ヒメマス)に着目、明治36年、千歳中央孵化場から取り寄せたヒメマスの卵を(青森から鉄道、馬車、徒歩で運搬)十和田畔の孵化水槽で孵化させ、十和田湖に稚魚を放流。
明治38年に回帰したことで、養殖に成功、この話は『十和田のヒメマス』として世に知られています。
和井内神社に祀られています。
十和田湖 | |
名称 | 十和田湖/とわだこ |
所在地 | 青森県十和田市奥瀬・秋田県鹿角郡小坂町 |
関連HP | 十和田湖国立公園協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR青森駅からJRバス十和田湖行き「みずうみ号」で2時間55分、終点下車。またはJR八戸駅からJRバス十和田湖行きで2時間15分、終点下車 |
ドライブで | 東北自動車道小坂ICから約30km |
駐車場 | 休屋南・北駐車場(450台/有料) |
問い合わせ | 十和田湖観光交流センターぷらっと TEL:0176-75-1531 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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