醤油で栄えた千葉県野田市、野田市駅北西にあり、醤油造りの資料を多数展示し、醤油と野田の考古・歴史・民俗に関するミュージアムが、野田市郷土博物館。野田醤油(現・キッコーマン)から建築資金を寄贈され、昭和34年に千葉県で最初の登録博物館として開館した歴史あるミュージアムです。
野田の醤油の歴史、醸造道具を学ぶ
野田市郷土博物館の建物は、醤油醸造家・茂木佐平次(もぎさへいじ=茂木佐平次家の用いた商標が「亀甲萬」)の旧宅を譲り受け、敷地内に正倉院の校倉造りをイメージして建てられています。
実際に使用されていた醸造道具をはじめ、江戸時代の醤油醸造工程模型、江戸時代の扁額『御本丸・西本丸御用』、明治時代に醤油醸造の様子を描いた押絵扁額『野田醤油醸造之図』(四代・勝文斎の作)など、野田の醤油造りの歴史がよくわかります。
江戸時代後期の文政年間(1818年〜1831年)、それまでの関西の醤油に代わり関東産の濃口醤油が江戸の需要を賄うようになり、髙梨兵左衛門家、茂木佐平治家の醤油が扁額『御本丸・西本丸御用』にあるように江戸城本丸・西丸の御用醤油となっています。
『野田醤油醸造之図』は、明治10年に上野公園で開催された「第1回内国勧業博覧会」に野田町の醤油醸造仲間が連合して出品した図といわれ、人気役者たちが扮する見学者と、蔵人たちによる醤油仕込み、圧搾、樽詰めなどの作業場の様子が描かれています。
ほかに、寺後遺跡(野田市清水、現在市営総合運動公園/旧石器時代の石器などが出土)、勢至久保遺跡(野田市二ッ塚/弥生時代の遺跡で壺型土器などが出土)や東深井古墳群(流山市東深井)の出土品なども収蔵。
三ツ堀遺跡出土石器の黒曜石は伊豆七島の神津島産です。
敷地内に建つ野田市民会館(旧茂木佐平治邸)は、国登録有形文化財で近代化産業遺産。
NPO法人野田文化広場が指定管理者として、野田市市民会館と一体的に管理運営されています。
ちなみに、野田市郷土博物館は、野田市市民会館とマッチするように校倉造をイメージして造られていますが、設計は東京御茶ノ水の聖橋、新潟の萬代橋、日本武道館、京都タワービルなどを手掛けた山田守(やまだまもる)。
建物自体も国の登録有形文化財になっています。
野田市郷土博物館 | |
名称 | 野田市郷土博物館/のだしきょうどはくぶつかん |
所在地 | 千葉県野田市野田370-8 |
関連HP | 野田市郷土博物館公式ホームページ |
電車・バスで | 東武野田線野田市駅から徒歩7分 |
ドライブで | 常磐自動車道柏ICから約8.9km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 野田市郷土博物館/ TEL:04-7124-6851/FAX:04-7124-6866 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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