南房総・白浜(千葉県南房総市白浜町根本)にある御神根島(おがみねじま)を中心とした風光明媚な海岸が根本海岸。若山牧水は「白鳥(はくてう)は 哀(かな)しからずや 海の青 そらのあをにも 染まずただよふ」(明治40年12月『新声』収録)という有名な短歌を詠み、若山牧水歌碑も立っています。
若山牧水の「白鳥は哀しからずや」を生んだ海岸
若山牧水は、明治40年に白浜、明治42年に布良と2度この地を訪れています。
最初は、恋人・園田小夜子と熱愛の時期で、二度目は小夜子との別離の後。
二度の滞在で、150首にのぼる歌を残していますが、歌集『海の声』、『独り歌へる』、『別離』に収められています。
「白鳥は哀しからずや」の短歌が明治40年12月、文芸雑誌『新声』収録されていることから、白浜海岸ではないかと推測できるのです(大正4年4月『行人行歌』収録では、「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」と改変)。
同時に「大島の 山のけむりの いつもいつも たえずさびしき わが心かな」、「山を見よ 山に日は照る 海を見よ 海に日は照る いざ唇を君」も根本海岸ゆかりの歌です。
御神根島(おがみねじま)根元の砂丘地帯には根本マリンキャンプ場もあり、オートキャンプも可能。
夏は砂浜の海水浴場としても賑わいをみせますが、その西側一帯は、一転して荒磯で奇岩が数多いのが特徴。
なかでもひと際存在感を感じるのが、屏風岩。
波の侵食に強い泥板岩と弱い砂岩の互層が隆起したもので、別名「かぶと岩」とも呼ばれ、千葉県の天然記念物にも指定されています。
この屏風岩一帯は、明治の文豪、菊池幽芳(きくちゆうほう)の小説『己が罪』(おのがつみ)の重要な舞台(波が打ち寄せる「甲岩」として登場)。
明治32年~明治33年に大阪毎日新聞に連載された小説で、当時の屏風岩は海中にあり、現在のようになったのは関東大震災での隆起後です(数メートル隆起しています)。
根本海岸 | |
名称 | 根本海岸/ねもとかいがん |
所在地 | 千葉県南房総市白浜町根本 |
関連HP | 南房総市公式ホームページ |
電車・バスで | JR館山駅からJRバス安房神戸回り白浜行きで30分、根本海岸下車、すぐ |
ドライブで | 富津館山道路富浦ICから約18km |
駐車場 | 20台/無料、海水浴場開設期間は200台/有料 |
問い合わせ | 南房総市観光協会 TEL:0470-28-5307 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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