布良海岸(阿由戸の浜)・青木繁記念碑

布良海岸(阿由戸の浜)・青木繁記念碑

千葉県館山市布良にあるテレビドラマ『ビーチボーイズ』(フジテレビ系、平成9年放送、主演反町隆史・竹野内豊)のロケ地として一躍その名が知れわたった海岸が、布良海岸(阿由戸浜)。明治の洋画家、青木繁が代表作『海の幸』を描いたことでも知られ、高台に青木繁記念碑が立っています。

青木繁の代表作『海の幸』が誕生した地

布良海岸(阿由戸の浜)は、房総半島の東京湾側に位置し、小ぢんまりとした静かな海岸でしたが、『ビーチボーイズ』の放映以来(ドラマでは潮音海岸として登場)、来訪者が急増。
新たな房総の名所に仲間入りしています。
浜は残念ながら遊泳禁止区域ですが、美しい砂浜と荒々しい岩場が入り交じっており、のんびりと海を眺めるには最適の場所。
放送から月日は流れていますが、今でも『ビーチボーイズ』のファンが旅行途中に立ち寄るポイントになっています。

この美しい海岸風景は、明治の洋画家、青木繁が代表作『海の幸』を描いたことでも知られ、青木繁は明治37年、画友や恋人らと制作旅行にこの地に訪れ、漁家・小谷家(現在、青木繁「海の幸」記念館・小谷家住宅として公開)に2ヶ月近く滞在しています。
「海の幸」記念碑は、昭和37年、恋人の福田たねと青木繁の遺子・幸彦(福田蘭童)の手により、除幕されたもの。

「ふれあいショップ平砂浦」を起点に相浜漁港、布良漁港などを歩く「画家が愛した漁村のみち」も整備されています。

ちなみに『ビーチボーイズ』に登場する「民宿ダイヤモンドヘッド」(オープンセット)も今はなく、基礎部分のコンクリートだけが残されています。

布良海岸(阿由戸の浜)・青木繁記念碑
青木繁が滞在した漁家・小谷家が現存!

天富命と忌部族上陸の地、布良

大同2年(807年)編纂の『古語拾遺』(こごしゅうい)によれば、天富命(あめのとみのみこと)が阿波の忌部族(いんべぞく/徳島県吉野川市に忌部神社が鎮座)を率いて、海路黒潮に乗り、上陸した地というのが阿由戸の浜。

布良という地名の由来は、海藻が繁茂する布浦(めうら)とも、和歌山県田辺市目良、静岡県南伊豆町妻良からの移住の地ともいわれていますが、忌部族が阿波の国で栽培していた穀物や麻を植えてみると良く育ったために付けたというのも有力な説。

また、布良にある布良崎神社は天富命に率いられた阿波国忌部族が黒潮に乗って上陸した地に建てられたと伝えられる古社で「安房の発祥の地」。
背後の千葉県立館山野鳥の森は太平洋側の常緑照葉樹林の東端なので、この地を永住の地に定めたのかもしれません。

幕末には沿岸警備のため3門の砲台が設置された地(布良台場)で、海防でも重要な場所だったことがわかります(平砂浦周辺には洲崎遠見台、川名台場、伊戸台場、滝口台場がありました)。

布良海岸(阿由戸の浜)・青木繁記念碑
名称 布良海岸(阿由戸の浜)・青木繁記念碑/めらかいがん(あゆどのはま)・あおきしげるきねんひ
所在地 千葉県館山市布良
電車・バスで JR館山駅からJRバス安房神戸回り白浜行きで28分、布良下車、徒歩5分
ドライブで 富津館山道路富浦ICから約18km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 館山市教育委員会生涯学習課 TEL:0470-22-3698
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
千葉県立館山野鳥の森

千葉県立館山野鳥の森

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布良崎神社

天富命(あめのとみのみこと)が阿波(あわ=現在の徳島県)の忌部一族(いんべいちぞく=古代朝廷における祭祀を担った氏族)を率いて南房総に上陸、安房(あわ)を開いたという伝説がありますが、天富命が上陸したと伝わる地が、館山市布良(めら)の阿由戸

安房国分寺跡(安房国分寺)

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天平13年(741年)、聖武天皇の詔(みことのり)により、国家鎮護のために諸国に建立された国分寺(金光明四天王護国之寺)のひとつが、安房国分寺。千葉県館山市国分にある後継寺院の安房国分寺一帯が安房国分寺跡だと推測され、往時の礎石が残され、瓦

 

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