千葉県南房総市石堂、石堂寺の墓地横に建つ古い農家が旧尾形家住宅。尾形家は中条流(豊臣秀吉の家臣・中条帯刀を祖とする産婦人科の流派)の医者、尾形宮内を初代とし、珠師ヶ谷(しゅしがやつ)の名主を務めた名家。現存する建物は享保13年(1728年)に建てられたもので、国の重要文化財に指定。
南房総の上層農家の大型建築は国の重文
居住棟と炊事棟が並ぶ分棟型と呼ばれる形式で、玄関、居間、上の間、中の間、納戸などからなる主屋と、かまや・作業場として使用される土間とが別棟になっている豪壮な建物。
主屋の居間は、全体の半分ほどの面積を占め、日常生活の場として活用されていたと考えられています。
今に隣接する上の間は、上座敷にあたる畳敷きの6畳間
主屋と土間が別棟になっているのは、防火を考えてのこと。
また、房総の農漁村では、農具や漁労用具への投資が重要視されたため、炊事場所を重視する分棟型は、上層農家であることの証しにもなっています。
建物は、隣接する珠師ヶ谷地区から移築されたもので、江戸時代中期の安房の上層農家を代表する貴重な建築物のひとつで、分棟型民家の典型例。
旧尾形家住宅 | |
名称 | 旧尾形家住宅/きゅうおがたけじゅうたく |
所在地 | 千葉県南房総市石堂301 |
電車・バスで | JR館山駅から館山日東バス丸川谷線川谷行き、または、丸細田行きで石堂寺前下車 |
ドライブで | 富津館山道路富浦ICから約13km |
駐車場 | 石堂寺墓地横(旧尾形家入口)を利用 |
問い合わせ | 南房総市広報課 TEL:0470-33-1002 |
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