千葉県市原市田淵にある、世界で3ヶ所しか見つかっていないという地球磁場逆転地層が、チバニアン。過去360万年間に地球磁場のN極とS極が逆転していたことが11回あり、77万年前に起こった最後の逆転の痕跡が養老川沿い崖面(「千葉セクション」=77万年前の地層)に残されているのです。
養老川沿いにあるため、探勝には長靴が必需
堆積物に含まれる磁石の性質を持つ鉱物が、地層上部では現在と同じ磁気の向きを示したのに対し、地層下部では逆になっていたことが判明、地層が観察しやすい場所であることから、IUGS(国際地質科学連合)の地質年代の境界を最も良く示す「GSSP」(GlobalBoundaryStratotypeSectionandPoint=国際境界模式層断面とポイント)に認定されています(国立極地研究所、茨城大学、千葉大学など約20研究機関の共同研究グループが解明、申請)。
「千葉セクション」と呼ばれる養老川沿いの崖面は、かつて海底だった時代に堆積し、その後に隆起して陸地化し、高さ10mほどの崖の一部として現れたもの。
現在と北極、南極の向きが逆だった時期、地球磁場が不安定だった時期、現在の北極、南極の向きとなった時期の3つを示す地層がきれいに積み重なっているのです。
国の天然記念物「養老川流域田淵の地磁気逆転地層」にも指定。
地層は養老川沿いにあるため、探勝には長靴が必需。
しかも雨天や雨天後には川が増水しており大変危険なので、立ち入りは厳禁です。
地層の近隣は民有地、地層は極めて貴重な資料ですので、削るなどの行為もできません(マナーを守って見学を)。
入口の駐車場には令和元年12月15日「チバニアンビジターセンター」(仮設のガイダンス施設)もオープンしています。
チバニアンガイドに関しては、市原市観光協会に問い合わせを。
バニアン、漢字に直せば、「千葉時代」
チバニアンは、養老川沿いの崖の名ではなく、その崖の地層の年代。
地質年代に関して冥王代→太古代→原生代→顕生代に区分され、そのうちのは顕生代は、古生代→中生代→新生代に細分化されます。
新生代については古第三紀→新第三紀→第四紀と分けられ、第四紀(258万8000年前〜現在)は大きく更新世(第四紀始め〜1万1500年前)と完新世(1万1500年前〜現在)に2分されます。
さらに更新世は前期、中期、後期に区分され、前期にジュラシアン紀(258万8000年前〜181万年前)、カラブリアン紀(181万年前〜78万年前)がありますが、チバニアン紀は中期(77万年4000年前〜12万9000年前)を表す言葉として認定されたというわけなのです。
チバニアン、漢字に直せば、「千葉時代」です。
チバニアン(地球磁場逆転地層) | |
名称 | チバニアン(地球磁場逆転地層)/ちばにあん(ちきゅうじばぎゃくてんちそう) |
所在地 | 千葉県市原市田淵 |
関連HP | 市原市公式ホームページ |
電車・バスで | 小湊鉄道線月崎駅から徒歩30分 |
ドライブで | 圏央道木更津東ICから約15km |
駐車場 | チバニアンビジターセンター駐車場を利用 |
問い合わせ | チバニアンビジターセンター TEL:0436-96-2755/FAX:0436-96-2755 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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