千葉県船橋市高瀬町、サッポロビール千葉ビール園の南、京葉食品コンビナート南岸壁に係留されるのが、SHIRASE5002(南極観測船「しらせ」)。3代目南極観測船として昭和58年〜平成20年の間、南極観測に活躍した船で、現在は、ウェザーニューズが係留状態で気象観測に利用し、日時限定で見学が可能です。
見学の申し込みは2ヶ月前から受付
南極観測船「ふじ」(名古屋港に係留、見学が可能)の後継船として建造されたのが「しらせ」。
1万t以上のスペック(基準排出量1万1600 t)は、昭和に建造された自衛艦としては最大で、3ノットで1.5m厚の氷を連続砕氷できる能力を有しています。
昭和58年の第25次南極地域観測隊以降、第49次南極地域観測隊まで、計25回にわたって南極観測の輸送支援を行ない、行動日数3803日、総航程100万6562km、総輸送人員1498人、総輸送物資量2万3900tという活躍を残しています。
構造上の制約から、ローリング(横揺れ)を抑制するフィン(船底の両側面の角に取り付けられるビルジキール)が備わっていなかったため、時化(しけ)や暴風雨の際には、大揺れ状態となり(左に53度傾いたことも)、隊員はひどい船酔いに悩まされることもあったとか。
除籍後は、保存先が決まらず(当初稚内市が立候補していますが財政難で立ち消えに)、廃船、スクラップ化が予定されましたが、鉄屑価格下落の影響から解体は先送りに。
その後、海上自衛隊横須賀基地内で係留されていましたが、気象情報会社「ウェザーニューズ」が船内の南極観測機器を居抜きで入手して、購入。
初代「しらせ」の艦番号「5002」(現在運航する2代目「しらせ」は5003)にちなんで、令和22年5月2日に「SHIRASE5002」として一般公開を開始しています。
船内には「ウェザーニューズ」のグローバルアイスセンターを設置、世界の氷のモニタリング業務が行なわれるほか、小型気象観測レーダー「WITHレーダー」で首都圏の雨雲の動きなどを追っています。
一般公開としては、元乗員によるガイドがついた「プレミアムコース」(1時間程度)、自分のペースでのんびり見学できるエリア限定の「ベーシックコース(ガイドなし)を受付。
自衛隊仕様の船のため、船内は狭く、急な階段も多いことから乗船にあたっては制限もあるので、注意事項を精読して申し込みを。
申し込みは2ヶ月前から受付。
見学料は手軽な料金設定なので、ファミリーでの見学もおすすめです。
SHIRASE5002(南極観測船「しらせ」) | |
名称 | SHIRASE5002(南極観測船「しらせ」)/しらせ5002(なんきょくかんそくせん「しらせ」) |
所在地 | 千葉県船橋市高瀬町2京葉食品コンビナート南岸壁 |
関連HP | SHIRASE5002公式ホームページ |
電車・バスで | JR新習志野駅・南船橋駅からタクシーで10分。JR津田沼駅、京成津田沼駅からタクシーで20分 |
ドライブで | 京葉道路花輪ICから約4km、東関東自動車道谷津船橋ICから約5km、東関東自動車道湾岸千葉ICから約8km |
駐車場 | あり/無料 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |