鉄道なのに路面電車の車両が走る珍しい路線、筑豊電気鉄道

筑豊電気鉄道

黒崎駅前駅(福岡県北九州市八幡西区)〜筑豊直方駅(直方市)の16.0kmを結ぶ、筑豊電気鉄道。地元で筑鉄(ちくてつ)、筑豊電鉄とも称されるローカル私鉄ですが、ユニークなのは軌間1435mm(標準軌)の普通鉄道ながら、車両はなぜか路面電車という部分。その理由は、乗り入れる先にありました!

西鉄北九州線(路面電車)に乗り入れる形で運行が始まった

筑豊電気鉄道

西鉄の前身のひとつ、九州電気軌道が大正時代に北九州と福岡市を結ぶ路線を計画したものが始まり。
昭和17年に5社(九州電気軌道、九州鉄道、博多湾鉄道汽船、福博電車、筑前参宮鉄道)が合併して創立された西鉄の初代社長・村上巧児(むらかみこうじ/前身の九州電気軌道社長)は、工業都市・北九州市、筑豊の炭都地帯、九州玄関口である商都・福岡市の3地域を高速鉄道で結ぶことを計画(大阪と神戸を結ぶ阪神電気鉄道をモデルとする都市間高速鉄道の計画)。

昭和26に筑豊電気鉄道が設立され、西鉄北九州線・西鉄大牟田線(現・天神大牟田線)と同規格で、軌間1435mmの鉄道の建設が始まりました。

計画では黒崎~福岡間の57.4kmを42両の車両を用いて急行30分~1時間ごと、普通30分ごとに運転し、 急行は表定速度52.5km/hで1時間5分で結ぶというものでした。
日本の高度経済成長とともに、石炭から石油へのエネルギー転換で筑豊炭田が衰退。
昭和46年、未成線の筑豊直方~博多間の新線建設を断念し、平成12年11月26日に筑豊電気鉄道が乗り入れていた西鉄北九州線(路面電車)の廃止を受け、その一部区間の黒崎駅前~熊西間0.6kmを譲り受け(適用法規を軌道法から鉄道事業法に切り替え)、現在の路線となっています。

黒崎駅前~熊西間0.6kmに関しては、西鉄が線路施設を保有する第3種鉄道事業者、筑豊電気鉄道が西鉄から線路を借りて電車を運行する第2種鉄道事業者という上下分離形式です。

西鉄北九州線(路面電車)に乗り入れる形で運行が始まったため、鉄道でありながら路面電車の車両が走るという珍しい形態となったのです。
つまり黒崎駅前~熊西間0.6kmは、「鉄都」と呼ばれた北九州市を走った西鉄北九州線の名残りで、黒崎駅前〜西黒崎駅間は0.3kmで、普通鉄道としては日本最短(国道3号の黒崎バイパスの建設工事で2025年まで休止)。

筑豊電気鉄道
いかにも路面電車風ですが、普通鉄道(筑豊電気鉄道3000形電車)
鉄道なのに路面電車の車両が走る珍しい路線、筑豊電気鉄道
所在地 福岡県北九州市八幡西区黒崎3-15-3〜直方市知古1-1
関連HP 筑豊電気鉄道公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ