たったひとつの河川にしか生息しない「幻のドジョウ」とは!?

タンゴスジシマドジョウ

京都府の丹後半島、その一河川(河川名は非公表)にしか生息しないという貴重で、まさに「幻のドジョウ」といえるのが、タンゴスジシマドジョウ(丹後條縞泥鰌、Cobitis takenoi)。絶滅の危険性の高いドジョウということで、絶滅危惧IA類(CR)にも指定されています。

「幻のドジョウ」を琵琶湖博物館、京都水族館で観察

タンゴスジシマドジョウ
琵琶湖博物館から京都水族館に移送されるタンゴスジシマドジョウ

タンゴスジシマドジョウは、体に斑点模様があるのが特徴のドジョウで、成魚で体長6cm~8cm、幼魚なら5cm〜6cmという小さなドジョウ。

丹後地域の河川で2010年に初めて発見されたコイ目ドジョウ科シマドジョウ属の淡水魚で、2016年に学名が付いたという「ドジョウ界のニューフェイス」。
環境省のレッドリストで野生での絶滅の危険性が極めて高い「IA類」に指定され、保存の重要性から生息する河川名は公表されていません。

繁殖に取り組んでいた京都府宮津市、関西電力宮津エネルギー研究所敷地内の「丹後魚っ知館」(たんごうぉっちかん/正式名・宮津エネルギー研究所水族館)が2024年5月30日に閉館となったため、丹後魚っ知館と近畿大学は、生育していたタンゴスジシマドジョウを研究及び繁殖のために、「滋賀県立琵琶湖博物館」に譲渡。

以来、「滋賀県立琵琶湖博物館」では、環境省と(公社)日本動物園水族館協会の「生物多様性保全の推進に関する基本協定」に基づく協定事業に参画し、タンゴスジシマドジョウの飼育・繁殖の技術開発に取り組んでいます。

2025年1月からは常設展示を開始したほか、2024年度から生息域外保全に取り組む「京都水族館」に「生物多様性保全の推進に関する基本協定」に基づいてタンゴスジシマドジョウのうち91個体を引き渡しています。
「京都水族館」では2025年3月17日(月)~4月25日(金)の期間、タンゴスジシマドジョウの企画展示を実施。
つまりは「滋賀県立琵琶湖博物館」の常設展示、「京都水族館」の企画展示で「幻のドジョウ」・タンゴスジシマドジョウの観察が可能ということに。

タンゴスジシマドジョウ
京都水族館で展示されるタンゴスジシマドジョウ
たったひとつの河川にしか生息しない「幻のドジョウ」とは!?
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滋賀県立琵琶湖博物館

滋賀県立琵琶湖博物館

琵琶湖の南東岸、滋賀県草津市にある滋賀県立琵琶湖博物館。琵琶湖に突き出た烏丸半島に建てられ、「湖と人間」をテーマに、琵琶湖の誕生から現在までの歴史や、湖の環境と、人や生き物のかかわりについて学ぶことができます。令和2年10月10日にリニュー

 

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