11月6日は北陸・山陰地方のズワイガニ解禁の日。オスのズワイガニはブランド化され、穫れる場所によって、越前がに(福井県)、加能ガニ(石川県)、間人ガニ(たいざがに=京都府・間人漁港)、香住ガニ(兵庫県・香住漁港)、松葉ガニ(鳥取県を中心とした山陰地方)などに分かれています。もっとも有名なブランド蟹は、越前がにです。
越前がに、松葉ガニがダントツに有名なブランド蟹
2022年8月に旅行代理店の阪急交通社が「ブランド蟹の知名度」に関するWebアンケート(全国、20代以上の男女、有効回答数561名)を行なっています。
過半数の人が知っていたのは、越前がに(75.0%)、松葉ガニ(67.0%)の2つで、2大ブランド蟹といえるでしょう。
以下、香住ガニ(20.3%)、間人ガニ(14.3%)、舞鶴ガニ(京都府・舞鶴港で揚がるカニ/9.0%)、加能ガニ(7.8%)、津居山ガニ(城崎温泉に近い兵庫県豊岡市・津居山漁港で揚がるカニ/5.1%)という順です。
ブランド蟹については、名古屋・中京圏で調査すれば、越前ガニが圧倒的に有名でしょうし、関西圏では、地元の京都、兵庫のカニがもっと上位に来ると推測できます。
越前がにが有名なのは、大正11年から三国港で水揚げされる越前がにが皇室に献上され、「ズワイガニの王様」とPRされてきたという歴史があります。
関西や名古屋・中京圏から近いという地の利もあって、冬になったら越前がにを食べに行こうというカニ好きも多いのです(この季節感は関東にはありません)。
黄色いタグ(正式名は標識票)が越前がにの証ですが、実は全国で定番となったタグを付けるのも、平成9年にセリ前の越前がにタグを取り付け、ブランド化したのが始まりです。
越前がにがブランド化したのは、漁場と港が近いということもあり(とくに漁場である荒波打ち寄せる越前岬にもっとも近いのが、越前港です)、鮮度が保証されているからです。
松葉ガニは山陰で揚がるカニの総称ですが、「とっとり松葉がに」のブランドでPRする鳥取県の松葉ガニは比較的に手頃な価格で味わえるとあって、通(ツウ)には人気です。
正確には松葉ガニというブランドはなく、「とっとり松葉がに」など、山陰でも水揚げ地によって別個の名前があるというわけです(島根県、兵庫県北部、京都府北部で産するズワイガニ・オスの総称)。
越前がにと松葉ガニの違いは、あくまでも水揚げの港の違い。
漁獲高1位の兵庫県と2位の鳥取県は、総称でいえば松葉ガニですが、兵庫県では津居山ガニなどとブランド名で売っている場合もあります。
漁獲高3位は北海道で(実は北海道のズワイガニもおすすめです)、4位が越前がにの福井県です。
価格的には越前がによりも松葉ガニの方が少し安い浜値で取引され、とくに大規模消費地から離れた鳥取市などは、お得感があるのです。
しかも境港は漁獲高が多く、味わう、購入するのにおすすめの地といえるでしょう。
「越前がにの方が美味しい」などという説もありますが、鮮度の違いが大きく、仲買人を取材すると「鮮度管理の環境が整っている漁港で水揚げされたズワイガニが旨い」ということになります。
その意味では、ブランドよりも、むしろ「漁場と漁港が近く、さらに最新の施設を備えた漁港のある産地のカニが美味しい」というセオリーが成り立ちます。
11月6日は、北陸・山陰地方のズワイガニ解禁の日、最も有名なブランドガニは!? | |
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