2024年3月16日に普通列車のグリーン車の料金が見直され、ホリデー料金が廃止、101km以上は実質値上げとなります。東京〜湯河原は99.1kmで、その先、熱海は100kmオーバーに。熱海まで行くなら、特急列車(指定席)と普通列車のグリーン車、どちらが乗り得か、比較してみましょう。
まずは、指定席特急料金とグリーン料金の差を確認
まず、前提となるのは、東京駅を起点とする特急に自由席がないこと(2024年春、首都圏JR特急から特急自由席は消滅)。
これまで自由席特急料金と普通列車のグリーン車の料金比較が一般的でしたが、房総特急も2024年春から全車指定席に。
熱海・伊豆への特急「踊り子」も全席指定で、中央本線の「あずさ」、「かいじ」、常磐線の「ひたち」、「ときわ」、高崎線の「あかぎ」もすべて全席指定となっています。
座席の快適度を比べてみると、JR東日本の普通列車グリーン車のシートピッチ(座席間隔)は970mm。
コンセントはなく、1階席限定の装備として読書灯が設置されています(中央線快速・青梅線に導入のグリーン車はコンセント付)。
特急列車は、特急「踊り子」など、関東圏の特急でもっとも一般的なE257系の普通車で960mmと、普通列車のグリーン車よりも10mm狭いことになりますが、座席窓側にはコンセントが設置されています。
座席背面に収納テーブルがあるのは同じです。
実は、普通列車グリーン車のシートは、E257系普通席の座席がベースとなっているので、基本的な快適度は同じということに。
もし、同じ料金なら、確実に座れて(座席が指定できる)、時間的にも優位性のある(早く到着)特急に軍配が上がるでしょう。
指定席特急料金
50kmまで | 100kmまで | 150kmまで | |
駅の自動券売機・みどりの窓口で購入 | 760円 | 1020円 | 1580円 |
えきねっとチケットレスサービス | 660円 | 920円 | 1480円 |
車内料金 | 1020円 | 1280円 | 1840円 |
普通列車のグリーン料金
50kmまで | 100kmまで | 150kmまで | |
通常料金(紙のきっぷ) | 1010円 | 1260円 | 1810円 |
Suicaグリーン料金 | 750円 | 1000円 | 1550円 |
実は特急のほうがお得で、「成田エクスプレス」ならさらに快適
東京駅を起点に考えると、湯河原でギリギリ100kmまでに該当するので、東京〜湯河原はSuicaで普通列車グリーン車に乗車だと1000円、特急指定席だと「えきねっとチケットレスサービス」利用で920円、自動券売機で購入しても1020円と、速達性と確実に着席できる点で、特急(指定席)に軍配が上がります。
東京〜熱海だと営業キロは104.6km、東京〜伊東で121.5kmと150kmまでということになり、Suicaグリーン料金で1550円、特急だと「えきねっとチケットレスサービス」で1480円(駅の自動券売機で購入すると1580円)と、これまた特急に軍配が!
東京〜大船だと46.5km(藤沢までは51.1kmで50kmを超えてしまいます)、Suicaグリーン料金750円、特急(えきねっとチケットレスサービス)660円となり、やはり特急を選ぶのが賢い選択に。
しかも2024年春のダイヤ改正で、「成田エクスプレス」利用時にも成田空港駅、空港第2ビルを利用しない場合に限り、割安なB特急料金(特急「踊り子」)と同じになるので、東京〜成田(68.4km)は「成田エクスプレス」(A特急料金)の特急料金は1730円だったのが、特急(えきねっとチケットレスサービス)920円と、かなりの割引料金で乗車できることになります。
「成田エクスプレス」(E259系)の普通車のシートピッチは1020mmとゆったりとしているので(スーツケースのような荷物を置くことを想定し、やや広めに作られています)、成田山新勝寺に参拝しようという場合には、普通列車グリーン車より、断然、この「成田エクスプレス」がおすすめです。
東京〜大船、千葉〜横浜、東京・新宿〜佐倉、新宿〜千葉などの移動にも時間が合えば「成田エクスプレス」がおすすめです。
「えきねっとチケットレスサービス」で、えきねっとトクだ値があれば、さらに割引料金で乗車できるので、東京駅発着に限定すれば、家族旅行などでもこれまでのように普通列車のグリーン車を選択する機会は減るかもしれません。
どっちが乗り得? 特急列車と普通列車のグリーン車 | |
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