関東周辺 渡し船の旅 全7航路

渡し船の旅

関東周辺で渡し船が運航されているのは、7ヶ所。矢切の渡しなど、歴史ある渡船が観光的に今も運航されている場所が多いのですが、県道扱いの赤岩渡船(葛和田の渡し)、浦賀港の浦賀渡船のように今も生活の足になっている場所も。事前に運航日を確認の上、渡し船の旅をお楽しみください。

赤岩渡船(葛和田の渡し)|群馬県・埼玉県

就航地:埼玉県熊谷市〜群馬県千代田町
就航区間:千代田町赤岩〜熊谷市葛和田
内容:利根川に現存する唯一の県道(主要地方道)扱いの渡船(県道熊谷・館林線の道路渡船)で、大正15年には群馬県営に、昭和24年からは群馬県千代田町に委託され、管理運営しています
伊勢崎市の「島村の渡し」が廃止となったため、群馬県内にある唯一の渡船です
125cc以下のバイクと人は無料で乗船できます(「遊覧船ではありません」の表示も)

赤岩渡船

永禄年間(1558〜1569年)には、長尾景虎(上杉謙信)が船橋を架けて軍が渡河したと伝わる利根川の赤岩渡船。利根川に現存する唯一の県道(主要地方道)扱いの渡船になっています。定員23名の動力船「千代田丸」、定員20名の「新千代田丸」が就航

葛和田の渡し

永禄年間(1558〜1569年)には、上杉謙信が船橋を架けて軍が渡河していたと伝わる葛和田の渡し(葛和田渡船/群馬県側の名称は赤岩渡船)。現在も利根川に残る貴重な渡し船として現役で活躍。渡し船ながら熊谷市妻沼と群馬県千代田町赤岩とを結ぶ県道

小堀の渡し|茨城県

就航地:茨城県取手市
就航区間:取手市内中心部〜小堀(おおほり)地区
内容:茨城県取手市内を流れる利根川を渡る取手市営の渡船で、大正9年に始まった歴史ある利根川の渡船
長さ9.99mの鉄船「とりで号」が就航
市道の扱いなので乗船は無料。自転車、原動機付き自転車(50cc以下)は1人1台まで無料
ペットはケージに入れれば乗船可能

小堀の渡し

茨城県取手市内を流れる利根川を渡る取手市営の渡船が小堀の渡し(おおほりのわたし)。市内中心部と小堀(おおほり)地区を結んで長さ9.99mの鉄船「とりで号」が運航しています。市道の扱いなので乗船は無料。自転車、原動機付き自転車(50cc以下)

矢切の渡し|千葉県・東京都

就航地:千葉県松戸市〜東京都葛飾区
就航区間:松戸市下矢切〜葛飾区柴又
内容:歴史ある江戸川の渡し船で、江戸時代には幕府公認の農民渡船(旧矢切村の農民は江戸川対岸に農地を保有)
矢切の渡しの松戸側は、伊藤左千夫の最初の小説『野菊の墓』の舞台で、『野菊の墓』の舞台と、柴又帝釈天(たいしゃくてん)を結ぶ観光ルートとして人気を集めています

矢切の渡し

矢切の渡し

江戸川河畔、松戸市下矢切(やきり)と東京都葛飾区柴又(かつしかくしばまた)を結ぶ、江戸川の渡し船が矢切の渡しで、江戸時代には幕府公認の農民渡船でした。旧矢切村の農民は江戸川対岸に農地を持っている場合も多かったのです。伊藤左千夫(さちお)の小

矢切の渡し(柴又渡船場)

矢切の渡し(柴又渡船場)

東京都葛飾区、江戸川の河川敷、柴又野球場A面の横にあるのが、矢切の渡し(柴又渡船場)。矢切の渡し歌碑、水原秋桜子句碑、だれでもトイレなどが整備されています。河川敷道路へは車は侵入できないため、江戸川河川敷の柴又公園駐車広場から矢切の渡しへの

浦賀渡船|神奈川県

就航地:神奈川県横須賀市浦賀
就航区間:西浦賀〜東浦賀
内容:奥行き1.5kmという浦賀港の東西交通の不便さを克服するため、江戸時代に始まったもので、明治11年8月に東西浦賀の17町内会の共同体が運航を始めた歴史ある公営渡船で、大正6年に浦賀町営に、現在は横須賀市営渡船となっています(公営渡船ですが有料です)
海上ながら横須賀市道2073号の扱いで、航路の長さは東西233m(所要3分)
東叶神社(ひがしかのうじんじゃ)の祭礼の際に御輿を運んだ「御座船」(ござぶね)をモチーフにした「愛宕丸」(4.8t)が就航

浦賀渡船

浦賀渡船

神奈川県横須賀市浦賀にある浦賀港は、江戸時代には廻船問屋が軒を連ねた港町。その浦賀港の東西を結ぶ公営渡船が浦賀渡船(うらがとせん)。浦賀の渡しとも、浦賀海道とも呼ばれる渡し船は、明治11年8月に東西浦賀の17町内会の共同体が運航を始めた歴史

城ヶ島渡船|神奈川県

就航地:神奈川県三浦市三崎
就航区間:三崎港〜城ヶ島
内容:三崎港にある産直センター「うらりマルシェ」前の岸壁と城ヶ島を結ぶ渡船が城ヶ島渡船
昭和35年に城ヶ島大橋が架橋された後、三崎港と城ヶ島を結ぶ渡船は廃止され、油壺とを結ぶ観光船が運航されるようになっていましたが、その航路も平成20年に廃止となり、平成20年5月にほぼ半世紀ぶりに復活したのが、三浦海業公社(産直センター「うらりマルシェ」を運営)が運航する城ヶ島渡船

城ヶ島渡船

城ヶ島渡船

神奈川県三崎市、三浦半島の先端、三崎港にある産直センター「うらりマルシェ」前の岸壁と城ヶ島を結ぶ渡船が城ヶ島渡船。昔ながらの交通船の雰囲気を今に伝える「白秋」と、自転車を積載することも可能な「さんしろ」が就航。短い船旅ながら、旅情あふれる島

江の島遊覧船|神奈川県

就航地:神奈川県藤沢市江の島
就航区間:江の島弁天橋(人道橋)〜稚児ヶ淵(ちごがふち)
内容:大正時代、江の島の漁師が、観光や江の島島民の生活の交通手段として、江の島・西浦漁港(岩本楼本館の下)から岩屋までを手漕ぎの木造船でスタートしたという交通船・渡船の歴史を背景に、「1964年東京オリンピック」(第18回オリンピック競技大会)の際に江の島大橋が整備され、江の島弁天橋と稚児ヶ淵を結ぶ連絡船の運航を開始

江の島遊覧船・べんてん丸

江の島遊覧船・べんてん丸

神奈川県藤沢市、江の島弁天橋(人道橋)から江の島岩屋近くの稚児ヶ淵(ちごがふち)を結ぶ観光連絡船が、江の島遊覧船・べんてん丸。通常は徒歩やエスカー(有料のエスカレーター)を使って山越えで江の島岩屋に到達しますが、片道だけでもこのべんてん丸を

我入道の渡し|静岡県

就航地:静岡県沼津市
就航区間:狩野川河口付近(あゆみ橋~沼津港~我入道)
内容:江戸時代に始まった渡し船ですが、昭和43年の港大橋の完成で、利用者が減少し、いったん昭和46年に廃止され、平成9年に地元の船大工が製造の木船を使って観光用に復活
春季(3月下旬~5月下旬)、夏季(7月中旬~下旬)、秋季(9月中旬~11月下旬)の土・日曜、祝日のみ運航/運航日に注意が必要、事前に確認を

我入道の渡し

『我入道の渡し』運航|沼津市|2024

沼津市の狩野川河口の『我入道の渡し』運航。平成9年に地元の船大工が製造の木船を使って観光用に復活したのが『我入道の渡し』。河川の渡し船としては静岡県でも唯一現存! 運行日は2024年4月6日(土)〜5月26日(日)・7月13日(土)〜7月2

関東周辺 渡し船の旅 全7航路
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
東海・北陸 渡し船の旅 全7航路

東海・北陸 渡し船の旅 全7航路

東海・北陸で渡し船が運航されているのは、7ヶ所。豊川、長良川など歴史ある渡船のほか、ダム湖や新港の誕生で代替手段として運航が始まった渡船、さらには離島への公営渡船などもあってバリエーションも豊富。なかには今後の運航が危惧される場所もあるので

 

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