東海・北陸で渡し船が運航されているのは、7ヶ所。豊川、長良川など歴史ある渡船のほか、ダム湖や新港の誕生で代替手段として運航が始まった渡船、さらには離島への公営渡船などもあってバリエーションも豊富。なかには今後の運航が危惧される場所もあるので、早めの乗船がおすすめです。
我入道の渡し|静岡県
就航地:静岡県沼津市
就航区間:我入道のりば〜沼津港のりば、あゆみ橋〜沼津港〜我入道(あゆみ橋航路)
内容:江戸時代に始まった渡し船ですが、昭和43年の港大橋の完成で、利用者が減少し、いったん昭和46年に廃止された渡船を、平成9年に地元の船大工が製造の木船を使って観光用に復活
井川湖渡船|静岡県
就航地:静岡県静岡市葵区井川
就航区間:井川本村〜井川ダム、井川本村〜宮向のほか、周遊便としての運航も
内容:井川湖誕生の翌年、昭和33年に対岸への交通手段を失った住民の利便を図るため、旧井川村の事業として運航が始まったのが井川湖渡船。
ダム湖の完成で分断されたアクセス路の代替で運航されるもので、無料で乗船可能
11月上旬~11月下旬で、定期航路で「紅葉クルーズ」も楽しむことが可能
牛川渡船(牛川の渡し)|愛知県
就航地:愛知県豊川市
就航区間:豊橋創造大学近くの牛川町〜大村町
内容:一級河川・豊川(とよがわ)に残る渡し船(かつては23ヶ所に渡し船が運航されていました)
平安時代から続くといわれる歴史ある渡し船で、牛川の渡しで豊川を渡る道はかつての鎌倉街道(鎌倉古道)
源義経、源頼朝も通った道で、明治末に下川村営に、さらに昭和7年から豊川市営の渡船として運航されています
西尾市営渡船(佐久島航路)|愛知県
就航地:愛知県西尾市
就航区間:佐久島行船のりば(一色さかな広場)〜佐久島西渡船場(佐久島西港)〜 佐久島東渡船場(佐久島東港)
内容:一色さかな広場に近い一色港と三河湾に浮かぶ佐久島(「癒やしとアートの島」)を結ぶ市営の航路で高速船が就航
観光客・島民の移動手段だけでなく、生活航路として、自転車・バイク、小荷物(ダンボールや封書など)なども運搬
小紅の渡し|岐阜県
就航地:岐阜県岐阜市
就航区間:一日市場〜鏡島
内容:岐阜市内を流れる長良川に現存する唯一の渡船(往時には12の渡船が運航)で、江戸時代の初めにはすでに運航の記録が残る歴史ある渡船
岐阜県道173号(文殊茶屋新田線)の一部で、渡し船も県道の扱い(県道渡船)
小紅渡船船頭組合が県から市を通じて運航を委託され、利用者が来ると船を出す仕組み(県道扱いのため、乗船料は無料)。
富山県営渡船(越ノ潟フェリー)|富山県
就航地:富山県射水市の富山新港(伏木富山港新湊地区)
就航区間:越ノ潟発着所〜堀岡発着所
内容:富山新港の完成で、港口が分断され、それによって廃止された富山地方鉄道射水線、富山県道1号(魚津氷見線)の代替交通手段として誕生した県営の渡船
フェリーと称していますが車の積載はできません(250㏄未満の自動二輪車や自転車のみ積載が可能)
平の渡し|富山県
就航地:富山県中新川郡立山町(黒部ダムのダム湖・黒部湖)
就航区間:平乃小屋船着場〜針の木谷船着場
内容:針ノ木峠と黒部川(平乃小屋)、五色ヶ原を結ぶ歴史ある登山道がダム湖の誕生で水没したため、その代行として6月〜10月に限って定期便として運航
ダム湖ができる前には、ここには吊り橋が架かり、黒部川を渡ることができましたが、現在では関西電力が平ノ小屋に委託して渡船を運航
注/愛知県一宮市と岐阜県羽島市を結ぶ中野の渡し(愛知県営渡船)は、木曽川に現存する唯一の渡船ですが橋が完成する令和7年度に廃止される見込みのため、掲載していません
東海・北陸 渡し船の旅 全7航路 | |
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