福岡県福岡市中央区天神にあるレンガ造りのレトロな洋館が福岡市赤煉瓦文化館。東京駅の設計で知られる辰野金吾、片岡安の設計で明治42年に竣工した旧日本生命保険相互会社九州支店を再生公開したもの。国の重要文化財に指定されています。
辰野金吾設計の赤レンガ建築は「クイーン・アン様式」
デザインは辰野金吾がイギリスに留学した時、流行していた左右非対称なデザインで知られるクイーン・アン様式(アン女王の時代に流行した建築様式)で、赤レンガの外壁、張り巡らされた白い花崗岩の帯、ドーム屋根など、東京駅と同じ雰囲気なのはそのせい。
竣工は東京駅のほうが後ですが、設計依頼は明治36年なので、ほぼ同じ時期に建築された建物です。
内装の照明器具や階段の装飾などには、当時ヨーロッパで花開いていたアール・ヌーヴォーの影響がうかがえます。
福岡市内に初めて自動車が走ったのは明治40年なので、そんな時代に建てられた洋館に、市民は目を見張ったことでしょう。
明治22年に近畿の財界人が集まって立ち上げた日本生命保険は、明治35年に大阪に本店を構え、辰野金吾・片岡安の監修、関野貞の設計によるレンガ造りの本館が建てられています(現存していません)。
昭和41年までは日本生命の福岡支店として使われ、昭和47年に国の重要文化財となったのをきっかけに福岡市に移管され、歴史資料館として活用されてきました。
平成4年度から平成5年度にかけて内部を竣工時の状態に復元する工事が行なわれ、平成6年から有料の会議室を備える福岡市赤煉瓦文化館となり、平成14年からは1階を福岡市文学館のサテライトに活用していましたが、令和元年8月21日に再度リニューアルされています(文学館展示を福岡市総合図書館に移転)。
館内の「Engineer Cafe」(エンジニアカフェ)は、官民一体で生まれたエンジニアのためのカフェで、コワーキングスペースとしての利用も可能です。
福岡市赤煉瓦文化館 | |
名称 | 福岡市赤煉瓦文化館/ふくおかしあかれんがぶんかかん |
所在地 | 福岡県福岡市中央区天神1-15-30 |
関連HP | 福岡市公式ホームページ |
電車・バスで | 地下鉄天神駅から徒歩5分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 福岡市赤煉瓦文化館 TEL:092-722-4666 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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