福岡県八女市にある墳丘長70mの前方後円墳が、乗場古墳(のりばこふん)。八女古墳群のひとつで、古墳群最大の岩戸山古墳の東方300mほどのところに位置しています。久留米藩の学者・矢野一貞の『筑後将士軍談』には周濠・周堤があったことが記されていますが、今は失われています。国の史跡。
筑紫磐井の子、筑紫葛子の墓という説も
乗場古墳の築造は、副葬品や装飾文様、石室構造などから6世紀中頃と推定されています。
近くにある岩戸山古墳の被葬者は、528年(継体天皇22年)に鎮圧された磐井の乱(ヤマト王権と北九州の首長の間で起こった)の中心・筑紫磐井(ちくしのいわい=岩戸山古墳が墳墓)と推測されているので、乗場古墳に埋葬された人物は、その子・筑紫葛子(つくしのくずこ)ではないかとも推測できます。
磐井の子、筑紫君葛子は、父の罪に連座してヤマト王権から誅殺されることを恐れ、糟屋屯倉(現・福岡県糟屋郡付近)を献上して、なんとか死罪を免除されています。
ただし、発掘調査の結果、善蔵塚古墳(八女郡広川町)、鶴見山古墳(八女市)も筑紫磐井後継世代の首長墓なので、筑紫葛子埋葬の可能性も残されており、定かでありません。
横穴式石室が発掘され、石室内部の壁面には、赤・青・黄色を用いて同心円文、連続三角形文、靫などの彩色壁画が描かれていますが、装飾を保護するため非公開です。
出土した環頭大刀柄頭・人物埴輪などは岩戸山歴史文化交流館に展示されています。
乗場古墳 | |
名称 | 乗場古墳/のりばこふん |
所在地 | 福岡県八女市大吉田乗場 |
関連HP | 八女市公式ホームページ |
ドライブで | 九州自動車道広川ICから約4km、八女ICから約5km |
問い合わせ | 八女市文化振興課 TEL:0943-23-1982/FAX:0943-24-4331 |
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