福岡県福岡市西区にある墳丘長53m超の前方後円墳が、兜塚古墳(かぶとづかこふん)。大塚古墳、丸隈山古墳、若八幡宮古墳、山の鼻1号墳などとともに今宿平野に築かれた今宿古墳群を構成する古墳で、国の史跡。平成6年〜平成7年の発掘調査で前方後円墳であることが明らかになっています。
5世紀後半に築かれた前方後円墳
築造は5世紀後半と推測され、後円部は、2段となっていて、斜面には葺石が配されています。
後円部にある横穴式石室は、江戸時代に盗掘にあって開口し、入口部分の半ばと床面の大半が破壊されています。
発掘調査では、石室からガラス製の玉などの装身具、鎧などの武具、鉄鏃・鉄刀などの武器や馬具が、さらに古墳の周囲に巡らせた埴輪が多数出土しています。
今宿古墳群(大塚古墳、丸隈山古墳、山の鼻1号墳、飯氏二塚古墳、兜塚古墳、鋤崎古墳、若八幡宮古墳)は、横穴式石室を日本で最初に墓室として導入した古墳群で、4世紀〜6世紀にかけて前方後円墳が継続して築造されるという、全国的に見ても珍しい古墳群です(ただし、葬られた人の名前、生没年、ヤマト王権内での役割などは不明)。
今宿古墳群は、5世紀中頃以降、つまり兜塚古墳とそれ以降の古墳は、前方後円墳ではあるものの、5世紀前半までの古墳(丸隈山古墳、若八幡宮古墳、鋤崎古墳)とは異なり、同時期の古墳に全国的に見られるような遺物・遺構の内容となっていて、「倭の五王」の時代におけるヤマト王権の変化、そして北九州の首長の権力の強化などがその背景にあると推測できます。
福岡市教育委員会の調査によれば、古墳の総数は三百数十基(うち11基が前方後円墳)。
古墳時代には高祖山の麓は、古墳がズラリと並ぶ壮観な景色が広がっていたと推測できます。
兜塚古墳 | |
名称 | 兜塚古墳/かぶとづかこふん |
所在地 | 福岡県福岡市西区飯氏633 |
電車・バスで | JR周船寺駅から徒歩15分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 福岡市経済観光文化局文化財活用部文化財活用課 TEL:092-711-4666 |
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