福岡県久留米市田主丸町にあるJR久大本線の駅が、田主丸駅(たぬしまるえき)。昭和3年12月24日、鉄道省の久大線久留米駅〜筑後吉井駅間開通に伴って開業した歴史ある駅ですが、平成4年4月23日に河童(かっぱ)をイメージし、浮羽工業高校の生徒がデザインした駅舎が誕生しています。
河童伝説の町、田主丸町の玄関駅は河童スタイル!
河童の駅舎はふるさと創生資金を利用し、7700万円を投入して建てられたもの。
もともと田主丸には河童伝説があり、駅のホームにはお迎え河童が鎮座、駅舎前には田主丸特産の柿やブドウを手にした楽太郎河童が出迎えてくれます。
また町内のいたるところに、河童にゆかりのある史跡や河童像があり、まさに河童の町。
田主丸駅構内には、「かっぱ好きのための、かっぱのカフェ」という「KAPATERIA」(カパテリア)も営業。
土・日曜、祝日には、かっぱのカレーも味わうことができます。
中央アジアから海を渡った河童が球磨川(熊本県)で暮らしていたものの、加藤清正の怒りを買って筑後川へ移り住んだというのが、田主丸の河童伝説。
福岡県遠賀郡若松町(現・北九州市若松区)出身の作家・火野葦平(ひのあしへい)は、小説、随筆、童話などで100点を超える河童登場の作品で知られていますが、そのきっかけとなったのが、田主丸。
戦争中、田主丸を訪れた火野葦平は、「鯉とりまあしゃん」と呼ばれた上村政雄に出会います。
「鯉とりまあしゃん」は、まさに河童のごとく厳冬の筑後川に素潜りし、両脇と口で一度に3匹の鯉を捕獲するという妙技があったのです。
火野葦平は、そんな「鯉とりまあしゃん」をモデルに昭和33年、小説『百年の鯉』を刊行。
田主丸にもたびたび訪れ、河童伝承や人々について記録を残しているのです。
田主丸町にある「鯉の巣本店」は、3代目が営む川と川魚に精通した川魚料理の店で、使用るする鯉も田主丸より上流で獲れる鯉のみというこだわりです。
田主丸の河童を巡って散策した後は、「鯉の巣本店」で鯉料理を、ぜひ。
田主丸駅 | |
名称 | 田主丸駅/たぬしまるえき |
所在地 | 福岡県久留米市田主丸町田主丸 |
関連HP | JR九州公式ホームページ |
問い合わせ | JR九州案内センター TEL:0570-04-1717 |
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