作兵衛トンネル

作兵衛トンネル

福岡県田川市伊田、平成筑豊鉄道・田川伊田駅横にある歩行者用のアンダーパスが、作兵衛トンネル。平成31年4月末にリニューアルされた田川伊田駅にあわせ、炭鉱絵師・山本作兵衛の作品(世界記憶遺産)をイラストレーター・黒田征太郎が内部の壁に描き、田川市の新名所になっています。

世界記憶遺産登録の山本作兵衛の作品黒田征太郎が模写

ユネスコ(国際教育科学文化機関)の「世界の記憶」(世界記憶遺産/Memory of the World 略称MOW)に登録された炭鉱絵師・山本作兵衛の『入坑(母子)』、『ヤマの水害』、『アサガオ』、『スラ引く女』などを、数十年前にパリで手に入れた油性クレヨンを使って模写したもの。
しかも絵には黒田征太郎のサインではなく「山本作兵衛さんより」と記されています。

黒田征太郎は、平成21年に福岡県北九州市門司区門司港に転居し、活動の拠点としています。
父はもともと九州の炭鉱で働いていたということで、山本作兵衛と黒田征太郎の合作となる名作が誕生しています。

ちなみに、山本作兵衛は明治25年生誕(父・福太郎は遠賀川の川舟船頭)。
石炭の鉄道輸送開始に伴い、仕事量の減りつつあった川舟船頭の職を捨てた父・福太郎は、一家で上三緒炭坑に移住。
作兵衛も7歳の時から兄とともに炭坑に入り父の仕事を手伝いました。
明治39年、山内炭坑の炭坑員となり、採炭員や鍛冶工員として58年の長きに渡り炭鉱労働に従事し、同時に絵日記や手帳に炭坑の記録を残しています。

山本作兵衛の残した炭坑記録画589点と日記や雑記帳、原稿など108点からなる697点が、ユネスコ(国際教育科学文化機関)の世界記憶遺産に登録されています。
世界記憶遺産にはこれまで、『アンネの日記』(Het Achterhuis)、人および市民の権利の宣言(フランス人権宣言/Déclaration des Droits de l’Homme et du Citoyen)、ベートーベン交響曲第9番 ニ短調 作品125(Sinfonie Nr. 9 d-moll op. 125)草稿などがあり、それに匹敵する貴重な遺産ということに。
山本作兵衛コレクションは田川市石炭・歴史博物館2階の第2展示室に展示されています。

作兵衛トンネル
名称 作兵衛トンネル/さくべいとんねる
所在地 福岡県田川市伊田2621-1
電車・バスで JR・平成筑豊鉄道田川伊田駅からすぐ
ドライブで 九州自動車道小倉南ICから約21km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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