福岡県大牟田市久保田町2丁目、JR九州・西鉄大牟田駅の西口広場に静態保存されるのが、旧大牟田市内線204号。戦時下の昭和18年に製造され、昭和27年まで西鉄大牟田市内線を走っていた路面電車で、大牟田市内線の廃線後には西鉄福島線(久留米市〜八女市)、福岡市内線でも使われた車輌です。
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西鉄大牟田市内線は、三池炭鉱の輸出港として三池港開港後、石炭の町として発展した大牟田に昭和2年、大牟田電気軌道の路線として開業。
昭和16年に九州鉄道に吸収合併され、昭和17年の西日本鉄道の設立で、西鉄大牟田市内線となっています。
旧大牟田市内線204号は、その西鉄時代に大牟田市内線の輸送力増強用として木南車輌(大阪府堺市に工場があった小規模な鉄道車両メーカー)が製造。
戦時下で大手の鉄道車両メーカーは、鉄道省や南満州鉄道、朝鮮総督府鉄道局などの大口事業者の発注で手一杯の状況だったのです。
200形ボギー車は、201〜208の8輌が製造され、西鉄大牟田市内線廃止後には西鉄福島線、さらに西鉄福岡市内線に転属しています。
大牟田は石炭で繁栄しましたが、鉄道から自動車への転換も、他の街よりも早く、西鉄バスによる輸送に代わったことで、昭和27年に全線休止、昭和29年に廃止されています。
最終的に唯一残された旧大牟田市内線204号は、山口県光市に譲渡され光市立図書館で静態保存されていましたが、荒廃が進みスクラップとなる運命が近づいていました。
平成23年、残存する唯一の大牟田市内線車両である204を里帰りさせるべくが結成された「204号の会」によってに引き取られ、うどん店に保存された後、平成30年に大牟田市に移管。
西鉄筑紫車両基地で、西鉄テクノサービスによって再整備され、平成31年3月に大牟田駅西口の賑わいづくりの一環として西口広場に静態保存されたのです。
修復された車両は、福岡市内を走っていた当時の色で再塗装を実施。
大牟田市内を走っていた際にはブルーだったという説もありますが、正確な記録が残っていなかったため、廃車時の色に戻すことになったのだとか。
内部は「hara harmony coffee」(ハラハーモニーコーヒー)として運用され、大正町・銀座通り商店街で、惜しまれつつ閉店した老舗喫茶店「コーヒーサロンはら」で提供されていたコーヒー、フルーツサンドなどをアレンジして提供しています。
旧大牟田市内線204号 | |
名称 | 旧大牟田市内線204号/きゅうおおむたしないせん204ごう |
所在地 | 福岡県大牟田市久保田町2-300 |
関連HP | 大牟田市公式ホームページ |
電車・バスで | JR・西鉄大牟田駅からすぐ |
ドライブで | 九州自動車道南関ICから約13km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 大牟田市観光おもてなし課 TEL:0944-41-2750/FAX:0944-41-2764 |
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