守護大名・土岐頼貞(ときよりさだ)の招きで臨済宗の僧・夢窓疎石(むそうそせき)が開いたといわれる岐阜県多治見市の名刹、永保寺。国宝に指定される観音堂の前に広がる庭園(永保寺庭園)は創建直後に作庭したと推測できる庭で、国の名勝。観音堂へ渡る橋(無際橋)は架け直されていますが、石組みなどは作庭当初のままです。
室町時代の禅宗庭園を代表する名園
夢窓疎石の作庭と推測できる永保寺庭園は、観音堂(創建時には観音閣)建立とほぼ同時期に、寺域の整備に際して築かれたと推測できます。
観音堂西側の岩山(梵音巌)から岩壁伝いに滝が落ち、その下流に池を配し、池には2つの島を浮かべています。
堂の正面、池の中央に虹形の亭橋(無際橋)を架けて空間を二分し、岩山・梵音巌を借景に、滝の組合せが絶妙なバランスを生み出しています。
西の山腹にある座禅石から庭を一望にできる仕組み(座禅をしながら庭園を鑑賞できる設計)。
庭園自体には後世の改変もありますが、「山水ノ景物ハ天図画ヲ開クノ幽致ナリ師ノ意甚ダ適ス」(『夢窓国師年譜』)という景観が今も残る貴重な庭で、国の名勝になっています。
観音堂、開山堂とともに国宝に指定される往時の建物が池の周囲に現存するのも、実に貴重。
ちなみに、庭は観音堂に安置される本尊・聖観世音菩薩が鑑賞できるように作庭したと考えられるので、観音堂側から、観音様の目線でじっくりと鑑賞を。
名称 | 永保寺庭園/えいほうじていえん |
所在地 | 岐阜県多治見市虎渓山町1-42 |
関連HP | 永保寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR多治見駅からタクシーで7分 |
ドライブで | 中央自動車道多治見ICから約2.2km |
駐車場 | 100台/無料 |
問い合わせ | TEL:0572-22-0351/FAX:0572-22-0091 |
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