群馬県藤岡市白石にある藤岡市内の遺跡から出土した文化財を収蔵する埋蔵文化財収蔵庫が藤岡歴史館。常設展示室が設けられ、無料で見学が可能。群馬県は巨大な古墳が築かれた古代から、富岡製糸場に代表される近代に至るまでの文化財の宝庫ですが、藤岡市もその代表格で、貴重な文化財が展示されています。
人気の「笑う埴輪」も展示
常設展示室では、国指定史跡の白石稲荷山古墳(しろいしいなりやまやまこふん)、古墳時代後期・6世紀代の古墳としては東日本最大級の前方後円墳である七輿山古墳(ななこしやまこふん)を中心とする白石古墳群、埴輪生産の拠点だった本郷埴輪窯址、猿田埴輪窯址についての展示コーナーが設けられています。
白石稲荷山古墳、七輿山古墳は、ともに3段築成の前方後円墳で、墳丘長は150mにも及ぶ巨大な古墳です。
七輿山古墳からも直径40cm、高さ110cmという巨大な円筒埴輪など多数の埴輪が出土していますが、毛野国(けのくに)では、太田地域と藤岡地域が埴輪の二大生産地。
神流川流域の本郷埴輪窯址、鮎川流域の猿田埴輪窯址などで埴輪が焼成されていました(現在、群馬県内では6ヶ所の埴輪窯が確認されています)。
高崎・安中・前橋など毛野国西部の古墳に、藤岡から埴輪が供給されていたと推測できます。
本郷埴輪窯跡の近くには野見宿禰(のみのすくね)を祭神とする土師神社も鎮座し、埴輪作製に携わった土師部(はじべ)の暮らした土師郷だと推測できます。
ちなみに、野見宿禰は、『日本書紀』に垂仁天皇の皇后・日葉酢媛命(ひばすひめのみこと)の葬儀に際し、出雲から300人余りの土師部を呼び、それまで行われていた殉死の風習に代わる埴輪の制を創案したと記されています。
また、国の重要文化財に指定される平井1号墳出土品も展示。
銀象嵌円頭大刀、金銅装単鳳環頭大刀、大刀形埴輪などは必見です。
『群馬HANI-1(はにわん)グランプリ』(平成30年)で、グランプリに輝いた「笑う埴輪」は、下毛田遺跡(しもだいせき)から出土した埴輪です。
藤岡歴史館は、七輿山古墳と白石稲荷山古墳の中間に位置しているので、古墳見学の際にはぜひお立ち寄りを。
画像協力/ググっとぐんま観光宣伝推進協議会
藤岡歴史館 | |
名称 | 藤岡歴史館/ふじおかれきしかん |
所在地 | 群馬県藤岡市白石1291-1 |
関連HP | 藤岡市公式ホームページ |
ドライブで | 上信越自動車道藤岡ICから約4.5km |
駐車場 | 84台/無料 |
問い合わせ | 藤岡歴史館 TEL:0274-22-6999/FAX:0274-22-6999 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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