群馬県前橋市大渡町(おおわたりまち)にある総社古墳群の1基が、王山古墳(おうやまこふん)。墳丘長75.6mの前方後円墳で、埋葬施設として全長16.37mという長さを誇る横穴式石室が備わっています。横穴式石室を有する古墳としては東日本ではもっとも古い時代に築かれた古墳です。
ヤマト王権と関係を有し始めた初期の豪族の墓
墳丘は2段構成で、川原石を葺石に利用し、テラスには円筒埴輪が並んでいたと推測されています。
墳丘周囲には幅24mもの周濠が巡らされていました。
築造は、6世紀初頭(古墳時代後期)で、総社古墳群では遠見山古墳に次ぐ古墳です。
初期の横穴式石室を持つ群馬県内の古墳としては、前二子古墳(前橋市)や築瀬二子塚古墳(安中市)などがありますが、横穴式石室は畿内のヤマト王権で取り入れられた新しい葬制であるため、東国の豪族がヤマト王権との密接な関係を有し始めたことがよくわかる貴重な例になっています。
一帯は王山公園として公開され、墳丘にも上ることができます。
総社古墳群の築造順は!?
古墳名 | 形状 | 規模 | 築造時期 | 史跡指定 |
遠見山古墳 | 前方後円墳 | 墳丘長88m | 5世紀後半 | 前橋市の史跡 |
王山古墳 | 前方後円墳 | 墳丘長76m | 6世紀初頭 | 前橋市の史跡 |
総社二子山古墳 | 前方後円墳 | 墳丘長90m | 6世紀後半 | 国の史跡 |
総社愛宕山古墳 | 方墳 | 一辺56m | 7世紀前半 | 指定なし |
宝塔山古墳 | 方墳 | 一辺66m | 7世紀中葉 | 国の史跡 |
蛇穴山古墳 | 方墳 | 一辺44m | 7世紀後半 | 国の史跡 |
王山古墳 | |
名称 | 王山古墳/おうやまこふん |
所在地 | 群馬県前橋市大渡町1-6-1 |
関連HP | 前橋観光コンベンション協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR新前橋駅から徒歩30分 |
ドライブで | 関越自動車道前橋ICから約3.5km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 前橋市文化財保護課 TEL:027-280-6511 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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