取材班が白馬村・小谷村・大町市・池田町・松川村を縦横無尽に調べた結果、取材班が選んだ【白馬・大町歩かず眺める絶景BEST33】を選定。第6位は白馬村で日本棚田百選に選定の棚田です。
白馬連峰を一望する絶景棚田
白馬村には意外に田んぼがありますが、昔からの歴史ある田んぼは東山の山中の棚田が多く、国道沿いの田んぼは江戸時代以降に開拓された新田が多いのです。岩岳入口交差点で国道148号を離れ、旧国道の通橋で姫川を渡った先でくねくねと山道を登ると(対向車に注意して安全運転を)青鬼集落入口の駐車場(有料)。ここに車を入れて青鬼の集落を抜けると白馬連峰を一望の絶景棚田が広がります。これが青鬼の棚田。
こんな山奥を開拓してと思えるのですが、棚田の水は江戸時代に完成した青鬼堰の水を今も活用。青鬼堰(青鬼上堰)は1860(万延元)年に着工、4年の歳月をかけ岩盤(延長290m)をノミで刻んで開削した総延長3kmの用水路です。つまりは水の確保が容易だったことが棚田開削の理由だったようです。
ここで、もう一つ注目が、青鬼の集落。実はこの青鬼集落、かつて善光寺詣(ぜんこうじもうで)や戸隠詣(とがくしもうで)の往来で栄えた善光寺街道柄山峠越え途中に位置しているのです。江戸時代から明治期に建築された茅葺屋根の民家15棟が建ち並び、白馬村青鬼重要伝統建造物群保存地区という、国の伝統的建造物郡保存地区に指定されています。
集落には縄文時代中期・後期の善鬼堂遺跡・番場遺跡もあるので古代から人が定住していたことがわかっています。集落の鎮守である青鬼神社の創始も806(大同元)年、岩戸山に祀られたことに溯ります。
明治末築の旧降籏家は「お善鬼の館」として再生され、公民館的に活用され、水を利用した小型の米搗きである「ガッタリ」も復元されています。
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