第54回ヴェネツィア国際映画祭で「金獅子賞」を受賞した映画『HANA-BI』(1998年)。監督・脚本・編集・挿入画・演出を北野武がこなし、主演もビートたけし、岸本加世子というまさに「キタノブルー」、世界の北野武監督が手がけた映画ですが、その重要なシーンに登場するのが新潟県南魚沼市の温泉旅館「大沢山温泉 大沢舘」です。
キタノブルーが「大沢山温泉 大沢舘」の雪景色にピタリとマッチ
関越自動車道塩沢石打IC(下り線)から15分という、比較的に交通が便利な場所にありながら、新潟県道76号(十日町当間塩沢線)をくねくねと走るだけで、越後の里山の雰囲気が残る地へと誘(いざ)なわれます。
主人公を含め、映画の登場人物はほどんど喋りません。
キタノブルーの映像、そして久石譲の音楽。
追われる身の刑事とその妻の逃亡劇を叙情的に描き、その情緒と、大沢山温泉の風情がピッタリとマッチしているのです。
公開から20年を経た映画『HANA-BI』ですが、「大沢山温泉 大沢舘」には『HANA-BI』の世界を体感したいという映画ファンが足繁く通っています。
北野監督が映画のイメージに合う宿として2年がかりで探しあてた「大沢山温泉 大沢舘」ですが、実はこの宿、湯沢町役場に勤めた林栄一さんが、昭和59年に湯治場として始め、その5年後に旅館として開業したもの。
日本秘湯を守る会の会員でもあり、そして風情あふれる露天風呂を目的に訪れる温泉ファンが多いのも特徴です(温泉は、かけ流し循環併用)。
映画『HANA-BI』の60人という映画の大掛かりなクルーは、3泊4日の日程で、「大沢山温泉 大沢舘」でのロケを終えています(なんと、ロケ隊の宿泊滞在費は宿の負担)。
映画では、ふたり最後の旅を、木造りの重厚な大沢山温泉の風情と、美しい雪景色が盛り上げています。
「ロケ地であることは、宣伝していません。ロケの間、北野監督ともほとんど言葉を交わしませんでした」
と館主の林栄一さんは、当時を振り返り、懐かしそうに語ってくれました。
人気の宿なので、なかなか予約が取りづらいのですが、映画『HANA-BI』の情緒を体感したい場合には、雪のシーズンがおすすめです。
「雪を見て純粋な気持ちに戻りたくなる、それは誰にもあることです」と、館主の林栄一も洒落た言葉を投げかけてくれます。
大沢山温泉 大沢舘 | |
名称 | 大沢山温泉 大沢舘/おおさわやまおんせん おおさわかん |
所在地 | 新潟県南魚沼市大沢1170 |
関連HP | 大沢山温泉 大沢舘公式ホームページ |
電車・バスで | JR上越線大沢駅からタクシーで7分 |
ドライブで | 関越自動車道塩沢石打ICから約6km |
駐車場 | 40台/無料 |
問い合わせ | 大沢山温泉 大沢舘 TEL:025-783-3773/FAX:025-783-4777 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材協力/新潟県観光協会、雪国観光圏
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