明治初期の居留地時代から続く神戸北野異人館街(兵庫県神戸市中央区)にあるパラスティン邸は大正時代初め築の木造2階建て洋館で、ロシアの貿易商フィヨルド・ミハイロヴィッチ・パラスティンの邸宅だったもの。現在は喫茶館として公開され、散策途中の休憩にもピッタリの異人館になっています。
数奇な運命をたどったパラスティン夫妻の邸宅
フョードル・パラスティン(Фёдор Парашетин)はロシア軍(白軍)将校だったため、ロシア革命(大正11年にソ連が誕生)をきっかけに昭和2年、妻のアレクサンドラを伴い、一人娘を残してハルビン経由で来日し、当初広島市京橋町で布地・洋服店舗「ロシア商店」を営みました(ロシア革命では、反革命派の帝政ロシア時代の貴族・将校を中心に、200万人が国外へ逃れ、神戸で「コスモポリタン製菓」を創業したモロゾフ家など日本にも数千人が亡命しています)。
パラスティン夫妻は、原爆投下で被爆し(自宅の下敷きになったものの脱出)、戦後、神戸北野に転居し、貿易業を営みました(昭和59年、89歳で没)。
パラスティンは、戦前から住んでいた白系ロシア人らとともに、昭和27年、神戸市中央区に神戸ハリストス正教会を設立しています(教会には原爆の痕跡を刻むパラスティンのイコンも保管されています)。
パラスティン邸は、神戸に転居した際に購入したもの。
建物は、神戸市の伝統的建造物(神戸市北野町山本通伝統的建造物群保存地区内)、「ひょうごの近代住宅100選」に選定。
現在では喫茶として営業し、手作りケーキとドリンクのケーキセット、白パンサンドイッチセットや各種ランチが人気で、ペット同伴もOK。
自家製の無農薬ハーブを使ったハーブティーもあります。
ウェディングパーティーなどに活用することも可能。
パラスティン邸 | |
名称 | パラスティン邸/ぱらすてぃんてい |
所在地 | 兵庫県神戸市中央区北野町2-10-12 |
関連HP | 神戸北野異人館街公式サイト |
電車・バスで | JR三ノ宮駅・阪神三宮駅・阪急三宮駅から徒歩1分 |
ドライブで | 阪神高速道路神戸線京橋ランプから約1kmで市営三宮駐車場 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | パラスティン邸 TEL:078-241-1132 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag