神戸中央区の山の手、市街地を望む小高い丘が諏訪山。仁徳天皇の皇后・八田皇女の離宮鎮護もために創建された古社、諏訪神社があることがその名の由来です。諏訪山公園は明治6年に境内の一角を開放したもので、翌明治7年には公園内でフランスの観測隊が金星の観測を行ない、それが由来でビーナステラスと名付けられています。
明治7年にフランス隊が金星を観測
一帯は、開港以来の異邦人との結びつきも強く、諏訪神社は神戸市在住の華僑などの外国人の厚い崇敬を受けています。
諏訪山公園の観測地が諏訪山中腹標高70mの金星台で、明治7年12月9日に地球・太陽間の距離を精密に測定することを目的に、フランス隊(ドラクロア)は、金星太陽面経過観測を行ないました。
同じ観測をフランス隊は長崎・琴平山でも実施し、アメリカ隊が長崎・大平山で、さらにメキシコ隊が横浜・野毛山(「金星太陽面経過観測記念碑」が立っています)と横浜・山手(現・フェリス女学院大学内)で行なっています。
眺望がいいのは、「金星過日測検之處」碑の立つ金星台ではなく、標高160mの山頂に近いビーナステラスと名付けられた展望広場。
ビーナステラスには、カップルが鍵をかけるための「愛の鍵モニュメント」も設置されています。
取り付けられた錠前は一杯になると取り外され、メモリアルプレートとして再生され、モニュメント側の地面に設置される仕組みです。
金星台とビーナステラスとの間には再度山ドライブウェイ(ふたたびさんドライブウェイ)が走りますが、遊歩道にはループ橋であるビーナスブリッジがかかり、公園の名所となっています。
神戸港や市街中心地の夜景を眼前にする絶好の地で、夜景目的で訪れる人も。
ただし再度山ドライブウェイは、23:00〜翌5:00は一般車両の通行が禁止。
金星の太陽面通過とは、太陽、金星、地球が一直線に並んだために、地球から金星を見ると、金星が太陽面を小さな点となって通過していくことを観測すること。
地球上の南北に十分離れた二つの地点から内水星または金星の太陽面通過を観測すれば、地球から太陽までの距離が判明すると考えたのは、ハレーで、1677年、大西洋上のセント・ヘレナ島で南天の星を観測していたときに思いついたアイデアです。
そのアイデアで、1761年と1769年の金星の太陽面通過の観測が行なわれ、フランスなどは、その後、100年以上待ち続けた、1874年(明治7年)12月9日だったというわけなのです。
それが証拠に、日本に観測隊を送り込んだフランス、アメリカ、メキシコ以外にもロシア、イタリア、ドイツが観測隊を世界中75の観測基地へ送り込んだのです。
諏訪山公園ビーナステラス | |
名称 | 諏訪山公園ビーナステラス/すわやまこうえんびーなすてらす Suwayama-Park,Venus Terrace |
所在地 | 兵庫県神戸市中央区諏訪山町 |
関連HP | 神戸公式観光サイト |
電車・バスで | JR三ノ宮駅、市営地下鉄・阪急・阪神・ポートライナー三宮駅から神戸駅前行き市バスで13分、諏訪山公園下下車、徒歩20分 |
ドライブで | 阪神高速神戸線京橋出口から約3.5km |
駐車場 | ビーナスブリッジ駐車場(30台/無料) |
問い合わせ | 神戸国際観光コンベンション協会 TEL:078-303-1188/FAX:078-302-2946 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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