猪名野神社

猪名野神社

兵庫県伊丹市宮ノ前にある古社が猪名野神社(いなのじんじゃ)。孝徳天皇の御代に猪名寺(いなでら=現・尼崎市猪名寺にあった寺、猪名寺廃寺跡が現存)に創建され、延喜4年(904年)に現在地に遷座したと伝えられています。戦国時代には惣構えだった有岡城の北端に位置し、岸の砦の役割を担っていました。

有岡城の岸の砦で、国の史跡にもなっている

猪名野神社

有岡城主・荒木村重(あらきむらしげ)は、有岡城の北・西・南の要所にはそれぞれ岸の砦、上ろう塚(じょうろうづか)砦、鵯塚(ひよどりづか)砦の3つの砦を築いていましたが、岸の砦があったのが現在の猪名野神社です。
江戸時代の領主、近衛家の庇護もあり、伊丹郷町の氏神として酒造家・町人からも崇拝されていました。
往時には、神仏習合で、牛頭天王(ごずてんのう=祇園精舎の守護神)を祀る野宮牛頭天王宮だったと伝えられ、境内には観音堂、地蔵堂などが建っていましたが、明治の神仏分離で諸仏は金剛院に移し、猪名野神社に改称されています。

現在の祭神は、猪名野坐禅大神(いなのにますおおかみ=建速須佐之男命、誉田別命、宇多天皇、醍醐天皇、鎮西八郎為朝、豊臣秀頼)。
現存する本殿は貞享3年(1686年)、近衛家21代当主・近衛基煕(このえもとひろ=伊丹郷町を領有、関白にまで出世)の再建で、拝殿、幣殿とともに兵庫県の文化財に指定。
境内西側には岸の砦時代の土塁が残され、境内には近世、伊丹郷町の酒造家・町人が寄進した狛犬(こまいぬ)、大灯籠、参道の石灯籠98基などがあり、境内全体が国の史跡になっています。

猪名野神社
岸の砦時代の土塁
猪名野神社
名称 猪名野神社/いなのじんじゃ
所在地 兵庫県伊丹市宮ノ前3-6-1
電車・バスで 阪急伊丹駅から徒歩10分、JR伊丹駅から徒歩15分
ドライブで 中国自動車道中国池田ICから約4km
駐車場 あり
問い合わせ 猪名野神社 TEL:072-782-2704/FAX:072-782-2769
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
有岡城(伊丹城)

有岡城(伊丹城)

兵庫県伊丹市のJR福知山線・伊丹駅近くにある戦国時代の城跡で、国の史跡になっているのが有岡城跡(伊丹城跡)。南北朝時代、摂津国人の伊丹氏によって築城された伊丹城が前身。戦国時代、織田信長に突如反旗を翻した荒木村重(あらきむらしげ)の籠城戦、

 

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