まんぼうトンネル(平松橋梁)

まんぼうトンネル(平松橋梁)

兵庫県西宮市和上町、JR神戸線(東海道本線)の高架部分に設けられたレンガ造りの人道トンネル(隧道)が、平松町・まんぼうトンネル。東から甲子園、平松町、大谷道と西宮市内に3ヶ所ある「まんぼうトンネル」のひとつで、正式名は平松橋梁です。

谷崎潤一郎の『細雪』にも登場するレンガトンネル

まんぼうトンネル(平松橋梁)

明治7年に開業した東海道本線大阪駅〜神戸駅間は、明治5年開業の新橋駅〜横浜駅間に次いで日本の鉄道としては2番目に古い路線。
その際に線路の敷設する部分に盛り土をして高架化したため、用水路用に開削した隧道(トンネル)が前身で、後にレンガで補修されたものと推測できます。

まんぼうは、京都・蹴上の「ねじりまんぽ」の「まんぽ」と同様に、鉱山の抗口を意味する間歩(まぶ)由来とすいそくできますが、平松町・まんぼうトンネルは、谷崎潤一郎の『細雪』にも登場し、「これは現在関西の一部の人の間にしか通用しない古い方言」で、オランダ語のマンプウに由来すると解説されています。
ただしオランダ語にマンプウ(Мanpoo)に該当する言葉はないため、間歩由来説に軍配が上がります。
漢字では間歩と表記するのが一般的ですが、間風、万堀などとも記されています。

マンボは、実は三重県の鈴鹿山脈の麓、岐阜県の垂井盆地、愛知県の知多半島にも多数あり、こちらは、素掘りのトンネル形式の井戸のことで、マンボには、隧道、アーチ構造物のほか、地下水路を表すこともあるのです。

東海道本線には岐阜県瑞穂市にも土盛り高架の下に築かれたレンガアーチの水路用のトンネル「マンボ」があり、やはり歩行者通路に転用されています。
ちなみに西宮市では「まんぼう」、瑞穂市では「マンボ」と称されていますが、正式名はどちらも橋梁となっています。

まんぼうトンネル(平松橋梁)
名称 まんぼうトンネル(平松橋梁)/まんぼうとんねる(ひらまつきょうりょう)
所在地 兵庫県西宮市和上町5
電車・バスで JRさくら夙川駅から徒歩8分
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
円明寺架道橋(ねじりまんぽ)

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