高根島灯台

高根島灯台

広島県尾道市、芸予諸島のひとつ、高根島(こうねしま)の北端・押寄鼻に建つのが高根島灯台。明治27年5月15日初点灯という歴史ある石造灯台で、保存灯台のランクはDランクですが、海上保安庁の日本の灯台50選に選定されています。平成5年3月に改築されていますが、基本的な構造は明治時代の建築当初のままです。

三原瀬戸の航路を見守る灯台

高根島灯台

四国と大島に挟まれた来島海峡は瀬戸内海の主要航路でしたが、潮流が早いため、海の難所にもなっていました。
そのため、大型の動力船が普及する以前には沿岸ルートの大三島と大崎上島の間、つまりは三原沖から布刈瀬戸を通る「三原瀬戸航路」が活用されていました。

高根島へは「瀬戸内しまなみ海道」(西瀬戸自動車道)が通る生口島から高根大橋を渡れば車や自転車でも到達できます。
広島県道370号(高根島線)の灯台入口に「灯台1km」という小さな表示があるのでこれを見落とさなければ(高根島を時計回りに周回すると見落とすので、反時計回りにアプローチを)、狭い幅員ながら舗装道路で灯台近くまで到達できます。
みかん畑横の駐車スペースから山道(遊歩道)を5分ほど歩けば灯台に到達します。

塔高は4.85mと小さいのですが、灯火部分は海面から標高45.32mの高さにあります。
12海里(22km)先の海にまで光は届く設計に。

明治時代、三原瀬戸航路に設置された9灯台

明治時代のほぼ同時期に「三原瀬戸航路」には9基の灯台が建設されています。

・高根島灯台(広島県尾道市高根島/明治27年5月15日初点灯/保存灯台Dランク)
・大浜埼灯台(広島県尾道市因島/明治27年7月4日初点灯/保存灯台Cランク)
・長太夫礁灯標(広島県尾道市海細島/明治13年2月5日初点灯/保存灯台Dランク)
・小佐木島灯台(こさぎじまとうだい/広島県三原市/明治27年7月4日初点灯/保存灯台Cランク)
・中ノ鼻灯台(広島県大崎上島町/明治27年5月17日初点灯/保存灯台Cランク)
・百貫島灯台(愛媛県上島町の無人島/明治27年5月15日初点灯/志賀直哉の『暗夜行路』に尾道まで光が届いたと記される灯台/保存灯台Cランク)
・大下島灯台(愛媛県今治市大下島/明治27年5月15日初点灯/保存灯台Cランク)
の合計7ヶ所が現存。

大久野島灯台(広島県竹原市大久野島)の初代灯台(明治27年7月4日初点灯)は四国村(香川県高松市)に移築保存されています。
9灯台のうち、残念ながら鮴埼灯台(めばるざきとうだい/広島県豊東野町/明治27年5月15日初点灯)は平成21年1月19日に廃灯になり撤去されています。

名称 高根島灯台/たかしまとうだい
所在地 尾道市尾道市瀬戸田町高根
関連HP 尾道市公式ホームページ
ドライブで 西瀬戸自動車道生口島北ICから約11km。中型車通行不可。
駐車場 5台/無料
問い合わせ 尾道市海上保安部 TEL:0848-22-2109
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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