広島県福山市新市町にある尾市古墳群を構成する古墳が、尾市1号墳(おいちいちごうふん)。直径10.5mほどの小さな古墳ですが、注目はその墳形。7世紀(古墳時代終末期)のヤマト王権では天皇陵に使われる八角墳で、7世紀後半頃の築造と推測されています。
被葬者はヤマト王権から派遣された石川王!?
八角墳は、近畿地方では宝塚市の中山荘園古墳が西端で、それより西日本では、尾市1号墳のみという珍しい古墳。
埋蔵施設も、奈良県明日香村の高松塚古墳、キトラ古墳、牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん/八角墳、斉明天皇陵とする説が有力)、中尾山古墳(八角墳、文武天皇の陵とする説が有力)などと同じ横口式石槨(よこぐちしきせっかく)。
しかも全国で唯一という横穴式十字石室(三方向に石槨を配置し、平面が十字形に)で、十字塚と呼ばれるのはそのため。
福山市内では猪ノ子古墳、曽根田白塚古墳も横口式石槨ですが、尾市1号墳は墳形も八角墳なので、ヤマト王権と密接な関係にあった首長の墓だと推測できます。
天武天皇の治世で吉備大宰(きびのおおみこともち/古代の吉備国は、後の備前国、備中国、備後国、美作国)を務めた石川王(いしかわのおおきみ)の墓とする説もありますが定かでありません。
福山市しんいち歴史民俗博物館、併設の福山市あしな文化財センターがビジターセンター的な役割を担っています。
尾市1号墳 | |
名称 | 尾市1号墳/おいちいちごうふん |
所在地 | 広島県福山市新市町常283 |
関連HP | 新市町観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 山陽自動車道福山東ICから約21km |
問い合わせ | 新市町観光協会 TEL:0847-52-4882/FAX:0847-52-7177 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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