札幌農学校の演武場として明治11年に建てられた、国の重要文化財。設計、監督は、当時の開拓使工業局が担当。意匠は簡素で、デコレーションの少ないアメリカ中・西部の建築様式の影響を受けています。時計台の時計は振り子時計で、おもりは、豊平川で採石した玉石を木箱に入れただけのシンプルなもの。
2階部分にはハワード社の時計機械を展示
時計台は、内部の見学も可能。
1階展示室には、市立図書館時代に外壁が緑だった塗装色の移り変わり、大火に遭った際のエピソード、農学校生徒の英語による学習の様子、時計台を取り上げた歌と小説など、時計台にまつわる歴史と豊富なエピソードを展示。
2階では往時の演武場を再現し、歴史的な雰囲気を体感しながら、実際に時計台で使われているものと同じハワード社の時計機械を展示しています。
2階のホール部分は、夜間は多目的ホールとして演奏会などに開放されています。
1階の売店では、オリジナルグッズの販売も実施。
記念撮影は、時計台の正面からというのがセオリーですが、道を隔てた時計台の西側向かいの札幌MNビルの2階には「時計台撮影プラザ」があり、穴場の撮影ポイントになっています。
また、「札幌市役所」19階の屋上スペース「展望回廊」から見下ろせば、ビル群に囲まれた時計台がよくわかります。
ちなみに時計台は、明治39年に現在地に移設されるまでは、130mほど北東に位置していました。
正式名は、「旧札幌農学校演武場」
明治11年築の木造建築で、時計塔は明治14年に付設されたもの。
もともとは札幌農学校の演武場で、正式名は、「旧札幌農学校演武場」(きゅうさっぽろのうがっこうえんぶじょう)。
演武場というのは、札幌農学校の生徒の兵式訓練や、心身を鍛える体育の授業を行なう場、さらに入学式や卒業式などの儀式を執り行なうための中央講堂として使われていた建物です。
札幌農学校の初代教頭・クラーク博士の提案を受け、2代目教頭のウィリアム・ホイーラーが作成した演武場の平面プランを元に、実際の設計と監督を担当したのが、開拓使の建築技術者として雇われた大工棟梁の安達喜幸(あだちきこう=豊平館も設計)。
アメリカ中・西部開拓地のバルーンフレーム工法(籠フレーム工法)を取り入れた実用本位の簡素な建築物です。
バルーン・フレーム工法は現在あるツーバイフォー工法のルーツとなる工法で、一定の寸法の木材を数種類準備しておき、それらを釘を使って打ち付けていくという工法。
西部開拓時代には大量の住宅の建設が必要で、1830年代にシカゴで単純で寒さに強い工法が開発されています。
バルーンという言葉には「竹製の虫かごの様な」という少し馬鹿にしたニュアンスが含まれているのだとか。
時計台の塔に組み込まれた時計は、明治14年に設置された当時のものでボストンのハワード社製の振り子時計。
おもりには、木箱に豊平川の玉石を入れたものが使われ、現在も週に2回、人力で巻き上げています。
建物、時計ともに開拓使に移入されたアーリーアメリカンの歴史を伝えており、「札幌農学校」として近代化産業遺産に登録されています。
ちなみに時計が稼働したのは明治14年8月12日で、明治14年9月8日に稼働した兵庫県豊岡市出石(いずし)の辰鼓楼(しんころう)をわずかに抑え、日本最古の時計台になっています。
1時に1回、2時に2回とその時刻に応じてなるので、じっくりと聞きたい人は回数の多い時刻に待つようするのが賢明。
泊まって納得! 取材班おすすめ札幌&札幌近郊の宿
札幌にはシティホテルを中心に数多くの宿がありますが、取材班を含め頭を悩ますのは、駐車場の確保と駐車料金。そして夕食。
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ホテルノースシティ
北海道都市職員共済組合が運営の公共の宿(シティホテル)。
緑豊かな中島公園に近く、豊平館などへの散歩も可能。
時計台 | |
名称 | 時計台/とけいだい |
所在地 | 北海道札幌市中央区北1条西2 |
関連HP | 時計台公式ホームページ |
電車・バスで | JR札幌駅から徒歩10分。または、地下鉄東西線・東豊線大通駅から徒歩5分 |
ドライブで | 道央自動車道北郷ICから約7.3km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 札幌市時計台 TEL:011-231-0838/FAX:011-231-0804 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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