後方羊蹄山(しりべしやま)として、深田久弥の『日本百名山』に選定される羊蹄山(ようていざん)に4つある登山道のうちの、倶知安(比羅夫)コース途中にある湖が半月湖(北海道倶知安町)。その名の通り半月の形をした周囲1kmほどのカルデラ湖で、ミニ摩周湖のような地形。周囲を原生林に囲まれている神秘的な湖です。
半月形の湖は小さなカルデラ湖
半月湖一帯はエゾマツやトドマツの針葉樹とイタヤカエデやダケカンバなどの広葉樹が混成する針広混交林でミズナラの巨木もあって森林浴に絶好。
半月湖畔自然公園(半月湖駐車場・半月湖野営場)として湖畔(外輪山)をめぐる散策路も整備されており、湖は一周すると徒歩約40分(駐車場から湖畔までは徒歩30分)。
エゾエンゴサク、シラネアオイなどの花の観賞や、6月には野鳥のさえずりも聞こえます。
外輪山西側の299.2mピーク近くからは湖岸に下りる歩道も用意されています(湖畔の標高は270m/歩道の状況を事前に確認を)。
また、羊蹄山登山口付近には、ニリンソウの群落や半月湖野営場もあり、登山シーズンには多くの登山者で賑わいます。
ちなみに凹地となったカルデラ中央に丸山と呼ばれる溶岩円頂丘があり、その北側に新月湖と呼ばれる場所もありますが今では涸れてしまい水は湛えていません。
紅葉の見頃は例年10月上旬~10月中旬頃。
半月湖は林芙美子の小説『七つの燈』(昭和8年/『遠い湖』など小説2篇)、『田園日記』(昭和17年)にも登場。
「山の上に小さい沼のような湖が見えた。/こんもりした林に囲われて、沈んだ緑の湖が森閑と静まりかえっている。湖の水面にはかなり波紋のような小波が立っていた(中略)ペースが時々何かに向かって吠えた。その吠える声が山彦のように湖の上に反響している。誰も知らないようなところに置き忘れたお月様と云った小さくて優しい湖だった。周囲は二キロぐらいもあるであろうか。時々魚の影が水面に浮かんできた」(林芙美子「田園日記」)。
以前は人気の観光地で貸しボートもあったのだとか。
半月湖 | |
名称 | 半月湖/はんげつこ |
所在地 | 北海道虻田郡倶知安町比羅夫 |
関連HP | 倶知安町公式ホームページ |
電車・バスで | JR比羅夫駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 新千歳空港から約110km |
駐車場 | 半月湖畔自然公園駐車場(50台/無料) |
問い合わせ | 倶知安観光協会 TEL:0136-22-3344 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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