北海道上川郡美瑛町中宇莫別(なかうばくべつ)、波打つ丘(波状丘陵)が続く美瑛町にある灌漑用のアースダムが、聖台ダム(せいだいだむ)。宇莫別川を堰き止め、昭和7年から5年を費やして完成したダムで、土木学会選奨土木遺産にも選定、ダム湖の聖台貯水池はダム湖百選に選定されています。
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風光明媚な一帯は、明治22年、永山武四郎(北海道庁長官)が、上川への北京設置を建議し、1万5000haという広大な面積が皇室御料地となり、上川離宮(かみかわりきゅう)が計画されたこともありました(西京=京都、南都=奈良、東都=東京、上川郡に北京を建設)。
明治44年、皇太子(後の大正天皇)が北海道を行啓、離宮予定地を訪れていますが、結局は実現をみず、払い下げられたため、中心コア型ゾーンタイプアースフィルダムが建設されました。
北海道初の大規模なかんがい用アースダムのため、土を固めるための蒸気機関、ディーゼル機関を使った大型転圧機械をアメリカやドイツから輸入し、建設作業員を延べ10万人も動員して建設。
基礎岩盤工事で採用されたセメント注入工法(グラウト工法)は、その後の北海道のダム建設の見本にもなっています。
聖台ダムは堤高29.7m、堤頂長485.4mと、幅の広いダムで、ミニナイアガラの滝のような雰囲気に。
聖台貯水池の湛水面積は51haで、幹線水路「旭川聖台用水」が田んぼに水を運んでいます。
冷たい川の水をダム湖にため、少し温めて田んぼに流すことで、美瑛でも稲の育成が可能になったのです。
ダムサイトの道道543号(上宇莫別美瑛停車場線)沿いには聖台ダム公園、貸別荘タイプの「絵織の丘レンタルハウス」があります。
道道543号(上宇莫別美瑛停車場線)をさらに上流側に走ると行き止まりなので、湖畔でUターンが賢明。
聖台ダム(聖台貯水池) | |
名称 | 聖台ダム(聖台貯水池)/せいだいだむ(せいだいちょすいち) |
所在地 | 北海道上川郡美瑛町明治 |
関連HP | 美瑛町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR美瑛駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 旭川空港から約13km |
駐車場 | 聖台ダム公園駐車場を利用 |
問い合わせ | 美瑛町商工観光交流課 TEL:0166-92-4321 |
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