福島県白河市のご当地ラーメン、白河ラーメンを代表する元祖の店が昭和48年創業のとら食堂。ここで修行した人の出店を総称して「とら系」ラーメンと称されていますが、そのルーツ店。当主の竹井和之さんは2代目で、初代の父、竹井寅次さんが作った中華そばが白河ラーメンの元祖といわれています。
白河ラーメンの元祖、「とら系」のルーツ店
白河藩主・松平定信が、飢饉への備えとしてそばの栽培を奨励したことから、白河には、手打ちそばの伝統がありますが、それを寅次さんが中華そばへの応用を思いついたのが麺作りにこだわる、白河ラーメンの始まり。
太くちぢれ、コシがある手打ち麺に、相性のいい醤油ベースの澄んだスープは、またたく間に評判に。
寅さんのつくるラーメンを教えてほしいと、修業に入る人が市内に続出し、惜しげもなく技術を教えたのが「とら系」ラーメンが広がったゆえん(湿度や温度によって変わる手打ちの方法や、チャーシューの焼き加減などを寅さんの技を習得するには1年以上必要)。
教えの基本は、「人格は味に表れる。ラーメンは心で作るもの」。
そんな寅さんの尽力あって、今や白河市は人口6万人ながら、ラーメン店が100軒を数えるという日本一ともいえるラーメン密集率に。
生き残るには、ルーツの「とら食堂」でさえ、「いつまでも変わらない味などあり得ない」と切磋琢磨し、素材のグレードアップなども図ってきたのだとか。
竹と麺棒を使う「手ごね手打ち」の麺は1時間に50食つくるのが精いっぱい。
開店にあわせ、早朝4:00〜5:00から当日限定のスープと手打ち麺を仕込むのですがが、昼時には行列を成すことも。
手打中華そばのほかワンタン麺、焼豚麺、夏場は冷やし中華も用意。
店主の竹井和之さんのお薦めはシンプルな手打中華そばで、「初めての人は、まず手打中華そばを」とのこと。
ワンタンは、初代の竹井寅次氏が修業した「まるい食堂」がワンタンで有名だったことに始まる。
白河ラーメンの7割が「とら系」といわれ、多くの店でワンタン麺を出すのはそのせいなのです。
人気の「とら食堂」ですが、支店を出さないのは、「人任せにできない性格だから」(竹井和之さん)とのこと。
とら食堂 | |
名称 | とら食堂/とらしょくどう |
所在地 | 福島県白河市双石滝ノ尻1 |
ドライブで | 白河中央スマートICから約7km |
駐車場 | 40台/無料 |
問い合わせ | とら食堂 TEL:0248-22-3426 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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